こぶとりじいさん
昔々、あるところに身長155センチ、体重64キロのおじいさんがいました。
おじいさんは定期健診でお医者にかかった際、こんなことを言われました。
「特に異常は見当たりませんでしたが、やはり少しだけ肥満の傾向がありますね。出来ればもう少し体重を落とせるといいんですけど……」
検査表を眺めつつ、そう話すお医者を見つめながら、おじいさんは思うのです。
(それって、BMI値がちょっと高いって話だよね。でも、いつも思うけどそれってどうなんだろう。大体、BMI値って骨密度や総筋肉量とか体脂肪率なんかは全然考慮してないじゃん。そんな大雑把な検査方法で人のことを気軽に肥満扱いしないでもらいたいもんだよなあ……)
そんな軽い憤りを覚えつつも、悲しいかな古い考えが染みついているおじいさん。
なかなか『医者様』という固定観念から脱することができず、はっきり意見しようにも気が引けてしまい、今回も思ったことを伝えられず、どこかモヤモヤとした気持ちで家路へと着くのでした。
小太りじいさん。の、お話でございました。
小太りじいさん。の、お話でございました(大切なことなので二回、言っておきます)。
めでたしめでたし。