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きんたろう (1)
昔々、足柄山の動物たちが熊の奴隷として扱われていた時代のこと。
熊の権勢をおびやかす子供が生まれました。
その名を、金太郎。
後に改名し、坂田金時と呼ばれることとなる源頼光四天王が一人に数えられる英傑の誕生です。
金太郎は幼くして知恵と武勇に優れ、しかも義にことのほか厚かったため、誰に言われるでもなく足柄山の動物たちの不遇を憂い、自らの意思で単身、熊の支配する足柄山の中へと入っていったのです。
ところが、先んじてこの金太郎の動向を察知していた熊は、卑怯にも山道で突然に金太郎へと襲い掛かり、手傷を負わせます。
しかし金太郎も負けてはいません。
先手を取ったと油断した様子の熊を見ると、これは好機と手近に偶然あったデスクチェアで熊の後頭部をしたたかに打ち据えたのです。
さらに激痛でもんどりうっている熊を見下ろし、
「ここじゃあ森が荒れる……土俵へ行こうぜ……久々にキレちまったよ……」
と、相撲での決着を申し出るのでした。




