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むかしおばかばなし  作者: 花街ナズナ
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ももたろう (4)

苦難の旅の果て、ついに鬼が島へと到着した桃太郎とその一行。


しかしよく考えてみたら雉は水雷……その性質上、上陸が不可能であり、この時点で無念にもお供が一人(?)脱落してしまうという完璧に想定内のイベントが発生してしまい、桃太郎一行の戦力は大幅にダウンすることになってしまいます。


が、くよくよしていても仕方ありません。桃太郎は元から無いやる気がさらに無くなっているところを無理やりに己を鼓舞し、呼ばわりました。


「やあやあ、我こそは日ノ本一の桃太郎。悪い鬼たちめ、神妙に出てこい。私が手ずから懲らしめてやろうぞ」


勢いに一声、そう叫びあげたのです。


すると、今まで海岸からは見えなかった島奥の岩陰から、何やらぞろぞろと姿を現してくるものがあります。


桃太郎たちは、果たして鬼たちが出てきたものだと思い、それぞれに身構えるといざ、戦わんと身を引き締めました。


が、

岩陰から次々に現れ出したのは予想していた鬼たちの姿ではなく、


実に、数百両ものT-34がキュラキュラと無限軌道を鳴らし、砂地を真っ直ぐ桃太郎たちへと襲い掛かってきたのでした。


そして、


その数百両に及ぶT-34が一斉に桃太郎たちへ主砲の砲門を突きつけるように狙いを定める様子を見るや、桃太郎はつぶやくように一言、


「……ああ、なるほど……鬼戦車ってそういう……」


と、発して次の瞬間には、お供ともどもに鬼が島の露と消えてしまいましたとさ。


まあ、対人戦で76.2mm砲を乱射するとか頭がおかしいよねとツッコミたいところではあるものの、最終的に戦いは数だよというお話でした。


めでたしめでたし。


【余談】


実は雉に関しては最後まで水雷艇にするか、強力粉(300g)砂糖(小さじ2杯)塩(小さじ1杯)ドライイースト(小さじ2杯)をぬるま湯(190cc)でよくこねたものにするかで悩みました。


我ながら悩むところが根本的に間違っていたと思いますが、反省はしていません。



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