ももたろう (1)
昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。
ある日、おじいさんは山へシヴァ狩りに(ヒンドゥー教最高神の一柱。破壊を司る荒ぶる神。討伐難易度S)、おばあさんは川へ堰を設けて敵を水攻めにするか、それとも周辺住民への被害を考慮してこの計略は一旦留保するかの選択に頭を悩ませていると、ふと見た川の上流から大きな体躯の男が丸裸……しかも完全うつぶせ状態の、どう見ても溺死体といった体でどんぶらこっこと流れてきました。
おばあさんは驚きつつもその男を家へと持ち帰ると、ちょうど討ち取ったシヴァの首を片手に返り血で真っ赤に染まった体を拭いているおじいさんと協力し、鉈を用いた特殊な医療処置(一般の方が行うにはあまりに危険な行為のため、内容は禁則事項となっております。ご了承ください)によって運よく男の蘇生に成功。
喜んだ二人は、男を川から流れてきたとき露わになっていた桃のような尻にちなんで桃太郎と名付け(男は再三にわたって本名を名乗ろうとしましたが、おじいさんとおばあさんの興味がある話題ではなかったので無視されました)、どうせ拾った命ならもう一度捨ててみるのも面白いだろうと、さっそく桃太郎にソロ攻略は絶対不可能だとされるため、おじいさんですら挑戦を断念していたシークレット・ミッションの『鬼が島・制圧ミッション(攻略難易度SSS)』へチャレンジしてくるよう、勝手に話を進めるおじいさんとおばあさんに抗議する桃太郎をガン無視し、強く促して最終的には鬼が島へ向かうことを(威圧と恫喝によって)させたのでした。