story.85
しばらく、5人が歩いていると、
「到着です♪」
エリスは鉱山の入り口らしき個所を指差して言う。
「今は発掘は中止されてるんだよな?」
エリトラがエリスに向かい鉱山の状況を確認すると、
「今は調査が終わるまで発掘は中止してます。遺跡も出てきましたし、唸り声の原因がわかったら、大規模な調査隊が派遣されるみたいですよ」
エリスは現在の鉱山の状況を説明する。
「発掘が中止されてるって事は中にモンスターも住み着いているな」
クロスは確認するように言うと、
「そうですね。発掘が中止されている鉱山は身を隠すには良い環境ですから、モンスターが身を潜めている可能性は高いです」
エリスは当たり前のように言い切り、
「本当ですか!?」
セフィはエリスの言葉に驚きの声をあげるが、
「当然だろ」
クロスは驚いているセフィを見てため息を吐きながら言った後、鉱山を覗き込み、
「エリス、通路はどこもこのくらいのスペースか?」
通路は思いのほか広く2人が並んで歩いていけるくらいのスペースがあり、クロスはエリスに他の通路のスペースを確認する。
「ところどころ狭い個所もありますけど、基本はこのくらいです。鉱石を運ばないといけないですから、考えられる限り頑丈に作ってありますよ」
エリスはクロスの質問に答えると、
「なら、パナシェの言ってた通り、クロスとセフィが前で俺とエリスがその後ろ。フィルが最後尾だな」
エリトラは自分でも通路を確認して言い、
「そうですね。フィルちゃんが後ろを警戒してくれれば安心できます」
エリスはエリトラの意見に同意し、
「クー♪」
フィルは任せろと言いたいのか右手で胸を叩き、
「決まりだな。行くぞ」
クロスも特に反論もないようでそう言い、5人は鉱山の中に入って行く。