story.80
「そ、そんな!?」
セフィが2人の言葉に声をあげる中、
「……」
クロスは3人の会話に混じる事なく、ヴァイパーの攻撃を避けながら、
(……うるさい)
隣で繰り広げられている意味のない会話にため息を吐いていると、
「ぐるるるる」
ヴァイパーはクロスに攻撃が当たらないためかクロスと1度距離を取る。
「バカ女、避けろ」
その行動にクロスは何かを感じたようでセフィに向かい言うと、
「……えっ!?」
ヴァイパーとセフィの視線が交差し、
「くしゃあああ」
ヴァイパーの身体が鞭のようにしなり、セフィを打ちつけようする。
(大丈夫。これなら防げる)
セフィは慌てながらもヴァイパーの攻撃を防ごうとするが、
「セフィちゃん、後ろに跳んでください。それを受けてはダメです」
セフィの行動に危険を感じたようでエリスから指示が出る。
「ふぇっ!?」
セフィはエリスの指示に驚きながらもなんとか反応し、後ろに跳ぶと、セフィの立っていた場所は土煙が上がり、その土煙のなかにはヴァイパーの目が不気味に光っており、セフィを睨みつけると、
(……)
セフィは自分が今の攻撃を受けてしまった時の事を想像してしまったようで恐怖で顔をひきつらせ地面にへたり込んでしまう。
「くしゃあああ」
そんなセフィを見て、ヴァイパーは大きく口を開き、鋭い牙でセフィの身体を喰いちぎろうと飛びかかってくるが、
「クー」
「下がれ、バカ女」
その瞬間を狙っていたのかフィルがヴァイパーに向かい炎を吹き、クロスは腰を抜かしたセフィのクビをつかむと力づくでセフィを自分の方に引き寄せると、
「くしゃあああ」
フィルの炎の直撃を受けたヴァイパーは自分の身体を焦がしている炎を消そうと身体を地面にこすりつけている。