story.7
(……いい加減にしてくれないかな)
クロスはセフィの一方的な話を聞き流しながら焚き火に薪をくべていると、
(……今日はずいぶん来客が多い日だな)
こちらの様子をうかがっている気配を感じる。
(気配は4人……1人気配を消したな。多少は出来る奴が居るようだな)
クロスは気配の確認を終えると、
「おい。バカ女」
セフィを呼ぶ。
「バカ女って何ですか? 私には……」
セフィはクロスの言葉使いにクロスに文句を言おうとするが、
「お前も冒険者なら、自分の命くらい自分で守れよ」
クロスはセフィの言葉を遮るように言う。
「ふぇっ?」
セフィはクロスの言葉の意味がわからずに首を傾げるが、来訪者達はその言葉で自分達の存在を気づかれたと理解したようで、3人が一斉にクロスに襲いかかるが、
(……遅いな)
クロスは流れるように攻撃を交わしていく。
(……もう1人は様子見のようだな)
襲撃者達の攻撃を避けながら、クロスは気配を消した人間の様子をうかがうが、もう1人は日和見を決め込んでいるのか、動く気配はない。
「なんだ!? こいつは、あたらねぇ!!」
襲撃者達はクロスに剣が当たらないせいか頭に血がのぼってきたようで攻撃は単調になり始める。
(……そろそろだな)
クロスはそう思うと自分のスピードを少し抑えると、
「これでも喰らえ!!」
チャンスと思ったのか襲撃者の1人から大振りの攻撃が放たれ、クロスを引き裂いたが……
それはクロスが残した残像でしか無く、
虚しく剣は地面に刺さる。
「!?」
何があったかわからないといった表情をする襲撃者のうちの1人の背後にクロスは現れ、
「トン」と襲撃者の首の後ろを叩くと叩かれた1人は崩れ落ちる。
(……早いとこ片付けるか。ここを荒らされたく無いしな)
クロスは徐々に殺気を放ち始めると、
「ああああ!?」
その殺気にあてられたのか襲撃者は動く事が出来なくなり、襲撃者は自分達が襲った相手との差を理解し、後悔をしはじめたその時、
「あなた方は何をしているのですか!! 3対1なんて卑怯です。教会の教えに反しています!!」
鈍いのか、大物なのかセフィにはクロスの殺気が効いてなくセフィは襲撃者を怒鳴りつける。