story.74
鍛冶師組合
「依頼を受けてくださった冒険者の方達ですね」
クロス達が鍛冶師組合を訪れると組合長のところに通される。
「クロスくん、フィルちゃん、遅いですよ」
4人が案内された場所には組合長らしき男性と一緒にエルフの少女が待っており、エルフの少女はクロスとフィルと顔見知りのようで、クロスを見るなりクロスを非難するように言うが、その言葉には怒気が含まれているようには感じられない。
「……あぁ。悪い」
「クー」
クロスは口では悪いと謝るが、その様子からは謝罪の念は見られないが、フィルはクロスの態度に申し訳なさそうに頭を下げると、
「まったく、クロスくんはフィルちゃんを少しは見習ってください」
エルフの少女がため息を吐いた時、
「エリス、立ち話はそれくらいにしろ。話が進められない」
男性が少女を制止し、
「初めての人間もいるから、自己紹介をさせて貰おう。この街の鍛冶師達の長をやっている。デュオ=アーキスだ。それと今日、君達に同行する組合員のエリス=ルディフィスだ」
「エリスです。よろしくお願いします」
組合長がセフィとエリトラに向かい自分と少女を紹介すると、
「は、はじめまして、セフィリア=ユノスです」
セフィは慌てて頭を下げ、
「エリトラ=ハルハザードだ」
エリトラは何かを見極めようとしているのか真っ直ぐにデュオとエリスを見て挨拶をする。




