story.72
「それで、もう1人は現地集合か?」
エリトラはパナシェの言っていたエリスと言う人物が見えないためクロスに向かい言うと、
「あぁ、鍛冶師組合で合流する事にしてきた」
クロスの答えに、
「あれ? してきたってどういう意味ですか?」
セフィはクロスの言葉に何かを感じたのか聞き返す。
「昨日、剣の修理を頼んでくるついでに話してきた」
クロスは当たり前のように言うと、
「そうか。任せて悪かったな」
エリトラは本来は依頼を受けた時点で自分もやらないといけない事だと理解しているようでクロスに礼を言う。
「……気にするな。付き合いのある人間がするべき事だ」
クロスは当たり前の事しかしていないと言い、
「それで、出発はそれを食ったらで良いな」
エリトラに出発時間を確認すると、
「俺は構わんがあっちは良いのか?」
エリトラは苦笑いを浮かべながらセフィを見て言い、
「……」
クロスは朝食が全然減っていないセフィの様子を見てため息を吐く。
「……」
セフィは顔をひきつらせながらも少しずつだが朝食を食べていると言った表情でクロスに目で訴えているが、
「……早くしろ」
クロスはセフィの事など心配する気ははいためか冷たく言い、自分の食事を終わらせる。
「……朝からあれを食いきるのかよ」
エリトラはクロスの様子に苦笑いを浮かべながら言うと、
「……そう言えば、お前らには仕事の前に挨拶させておいた方が良いかな?」
何かを思ったのかそう言う。