story.70
蒼き剣亭
「カラーン」
クロス、セフィ、フィルの3人はエリトラとの待ち合わせ場所である蒼き剣亭のドアを開ける。
「おはよう。フィル、セフィちゃん、ついでにクロス」
3人を見て、ジルが声をかける。
「……あぁ」
「クー♪」
クロスは機嫌が完全に治っていないようで不機嫌そうに短く頷き、フィルは朝の挨拶のつもりなのか大きく右手をあげ、
「ジルさん、おはようございます」
セフィはジルに向かい挨拶をした後、
「クロスさん、挨拶はしっかりとするべきです。クロスさんを怒らせたのは私であって、ジルさんは関係ないはずです」
クロスの態度に不満があるようでクロスに言い聞かせるように言う。
「……別に良いだろ」
クロスは面倒そうに言うと、
「良くありません!! 朝の挨拶は大切なんです」
セフィは引く気はないようでクロスにくどくどと説法を始めだす。
「あれは良いコンビなのかい?」
ジルはクロスとセフィの様子に苦笑いを浮かべながらフィルに聞くと、
「クー?」
フィルはまだわからないと言う感じで首を振り、
「あぁ、エリトラがおりてくるまでゆっくりとしとくかい?」
ジルはフィルの様子に苦笑いを浮かべたまま、フィルに彼が良く食べている干し肉を渡す。
「クー♪」
フィルはジルが出してくれた干し肉に嬉しそうに飛びつくと、
「セフィちゃん、クロス、何も頼まないなら外でやっておくれ」
ジルは2人に向かい言い、
「す、すいません!?」
セフィはジルの言葉に慌てて頷き、メニューを覗き込み、
「任せる」
クロスはジルに任せると言い、
「私もお任せでお願いします」
セフィは優柔不断なところがあるためか、メニューを決めきれなかったようでジルに任せると言うと、
「了解」
ジルは2人の様子に苦笑いを浮かべて頷いた後、調理を始める。