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story.6

(1人か? 気配を隠す事もしないなんて大物か? バカか? ……まぁ、関係ないか)


クロスは茂みの中からこちらの様子をうかがっている人間を見極めると、焚き火の中から火のついた薪を取り、茂みに投げつけると、


「キャッ」


クロスが気づいているとは思っていなかったようで茂みの中の人間は驚き声をあげる。


(……女か?)


クロスはその声にこちらの様子をうかがっている人間に、


「……何のようだ?」


声をかけると、


「何をするんですか!? いきなり薪を投げつけるなんて」


クロスからの攻撃によほど驚いたのか少女が茂みから飛び出し、クロスに文句を言う。


(こいつ……さっきのバカと一緒にいた女?)


少女の剣幕を気にする事なく、クロスは少女を眺めた後、クロスは少女に見覚えがあったようで、


「こっちのセリフだ。人の事を観察するなんて……ずいぶんと良い趣味してるよな?」


クロスはこちらには非はないと言い切ると、


「それは謝ります……だからといって物を投げつけなくても」


少女も自分が悪い事をしていたと自覚していたのか、声を小さくしてクロスに謝る。


「……それで、さっきのバカ男の仇でも取りにきたのか?」


謝る少女の姿を気にするわけでもなくクロスが少女にこの場所にきた理由を聞くと、


「私はセフィリア=ユノスって言います。セフィって呼んで下さい」


少女は自分の事をセフィと名乗り頭を下げる。


「……クロス=ブラッドだ。それで女、何のようだ?」


クロスはセフィの挨拶に興味を示すわけでもなく、鬱陶しそうに再度、ここにきた理由を聞くと、


「あのですね……」


セフィと名乗る少女は言葉を止め何かを考えている様子を見せる。


「考えてなかったのか?」


その姿を見たクロスは、何しにここに現れたかわからないセフィを見てため息を吐くと、


「い、いえ、そういう訳ではないです」


セフィは1度、大きく深呼吸をして、


「良いですか。あなたの行動は間違っています!!」


クロスに向かい言うが、


「はぁ?」


そう言われたクロスはセフィが何を言いたいかわかるわけもなく首を傾げると、


「降参した相手に剣を向けるなんて教会の教えに反しています!!」


セフィは自分が信仰している教えにクロスの行動は反しており、クロスへ説教をしにきたようだが、


「……教会の教えだ?」


教会と言う言葉を聞きクロスから静かに殺気が放たれるが、


「そうです。教会の教えは絶対です。良いですか。なぜならそこに愛があるからです」


セフィは気づく事なくクロスに向かい説教を続ける。



(……この女。間違いなくバカだ)


クロスは相手をするのも面倒になったようで、セフィの言葉を無視するが、


「って聞いていますか?」


クロスの態度にセフィはクロスに確認をする。


「……聞く必要は無いな。俺は教会も神様って奴も信じ無い」


クロスはセフィの言葉を鼻で笑うと、


「どうしてですか? 神様はいつも私達を見守ってくれているのですよ」


セフィはクロスに自分の意見を押し付けようとするが、


「見守るだけなら、そこら辺の奴でも出来る。信じて裏切られるなら信じるだけ無駄だ」


クロスはセフィの言葉を聞き入れるわけはない。


「そんな事ありません!! 良いですか?」


しかし、セフィはクロスの態度を改めようとしているようで、クロスに向かい長々と神と教会についての話しを続ける。



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