story.56
「クラウド先輩!?」
男はセフィの神官時代の先輩であるクラウド=ハルバートであり、セフィはクラウドの名前を呼ぶと、
「どうして、この街にいるんですか? クラウド先輩は王都にいるはずじゃ」
クラウドがこの街にいる理由がわからずに驚きを隠せないのか聞き返す。
「少しは落ち着きなさい。セフィリア」
クラウドはセフィの表情に苦笑いを浮かべてそう言うと、
「は、はい」
セフィはクラウドの表情を見て、恥ずかしくなったのか顔を赤くしながらうつむき返事をする。
「クー?」
フィルはセフィとクラウドのやり取りを見て、クラウドが何者かわからずに首を傾げていると、
「セフィ、どうしてモンスターが街中にいるんだい?」
クラウドはフィルを見て、フィルをモンスターだと判断したようで、腰に下げている剣の柄を握りフィルを睨みつけながらセフィに聞く。
「ク、クラウド先輩!? ちょっと待ってください。フィルちゃんはモンスターじゃありません!!」
セフィは慌ててフィルとクラウドの間に割って入るが、
「グー」
フィルはクラウドから向けられた敵意に反応するかのようにクラウドを睨みつけながら唸り声をあげる。
「フィルちゃんも落ち着いてください!?」
セフィはフィルの反応にフィルをなだめようとして、フィルの名前を呼び抱き締めるが、
「グー」
フィルはセフィの腕の中に抱かれながらもクラウドから視線を逸らす事はない。
「……セフィリア、どきなさい。あなたは教会の教えを破る気ですか? それは邪悪な存在です」
クラウドはフィルから自分に向けられている敵意にモンスターが教会の信仰する正義への敵対と決めたようでセフィに向かいそう言うと鞘から剣を抜く。