story.48
「ふぇぇぇぇ!?」
セフィは急にパナシェから仕事を振られた事に驚きの声をあげるが、
「こいつとか? まぁ、面白そうではなるな」
エリトラはパナシェの提案に興味があるのか頷く。
「……エリトラの実力は認めるが、なぜ、こいつを連れて行かないといけない。確実に足手まといだぞ」
クロスはエリトラの同行には納得が行くが、セフィを連れて行くのは足手まといのため、パナシェに向かい聞くと、
「毎回、鍛冶師の組合から1人出して貰ってるから、3人くらい人を出したいんだ。今から人員を探すのも大変だしね」
パナシェは苦笑いを浮かべて言うが、不意に真剣な表情になり、
「クロスがいるから組合からはエリスを出して貰うとして、前衛に剣士のクロス、神官戦士のセフィ、後衛に妖精師のエリトラと精霊使いのエリス、状況しだいで鍛冶師として戦えるエリスとセフィを入れ替えれば良いし、バランスは悪く無いだろ」
パナシェはパーティーバランスを冷静に分析しているのか鋭い視線を向けて言うが、
「クー」
自分の名前が呼ばれないフィルが文句があるようで声をあげる。
「そうだね。フィルくんを忘れてたね」
パナシェはフィルの頭を撫でて言うと、
「クー」
フィルはパナシェの態度に機嫌を直したのか大きく頷く。
「それで、セフィちゃんはどうする?」
パナシェはセフィに確認をすると、
「お、お願いしましゅ……」
セフィは慌てて返事をしたせいか舌を噛み、
「くくく」
エリトラはその様子に息を殺しながら笑い、
「……何で俺がこいつのお守りをしないといけない」
クロスはセフィの様子に頭を押さえながらため息を吐く。
「それじゃあ、よろしくね。今日はこの街に着いたばかりだろうし、明日、鍛冶師の組合に顔を出して貰えるかな。ジルさん、お邪魔したね」
パナシェはそう言うと、店を出て行き、
「それじゃあ、明日はよろしく頼む」
エリトラはクロス、セフィ、フィルに向かい言うと、
「……あぁ」
クロスは頷き、
「よ、よろしくお願いします」
セフィはエリトラに向かい頭をさげる。