story.41
「仕方ないね」
ホックの言葉にリシェルは諦めたようでそう言うと、
「それで、セフィは私に何かようなのかい?」
リシェルはホックがセフィを連れてきた事に自分にようがあるのはセフィだと気づいたようでセフィに聞く。
「あっ!? はい」
セフィはリシェルの言葉に少し驚いたように返事をした後、
「これを買い取って貰いたいんですけど」
リシェルに剣を見せる。
「これをかい? ……」
リシェルはセフィから剣を受け取り、剣を鑑定しはじめる。
「……」
リシェルが黙って剣を鑑定しているのを見て、
「どうですか?」
セフィはリシェルの鑑定結果が気になっているようでリシェルに聞くが、
「……少し静かにしていろ」
クロスは呆れたようにセフィに向かい言い、
「そ、そうですよね」
セフィはクロスの言葉に少し気まずそうに笑うとその様子にホックは苦笑いを浮かべている。
「良い剣だね」
リシェルは鑑定を終えたようでセフィに剣を返すと、
「買い取って貰えないんですか?」
セフィは剣を返されたため、買い取って貰えないと判断したようでそう言う。
「買いたいところなんだけど、手持ちが足りなくてね。その剣に見合った代金が払えない」
リシェルは剣は気に入ったようだが、持ち合わせがないと言い、
「そうですか」
セフィは残念そうに頷く。
「悪いね」
リシェルは苦笑いを浮かべると、
「話は変わるんだけど……クロス♪」
ニヤリと笑いクロスの名前を呼び、
「良い治療薬があるんだけど、買わないかい? 安くしとくよ」
クロスに治療薬を売りつけようとするが、
「いらん」
クロスはキッパリと言い切る。
「つれないね」
リシェルがため息を吐くと、
「ちなみにお前が配合した薬か?」
ホックがリシェルに聞き返し、
「当然だろ。ホックは買うかい?」
リシェルはホックに狙いを変えるが、
「お前の薬は副作用が怖いから遠慮する」
ホックはため息を吐きながら断ると、
「信用ないね」
リシェルはため息を吐くが、
「妥当な答えだろ」
クロスは言い切り、
「ホック、時間は良いのか?」
ホックに出発の時間を確認すると、
「そうだな。そろそろ戻らないといけないな。それじゃあ、邪魔したな。リシェル」
リシェルに向かいそう言い、
「いや、こっちこそ。期待に添えられなくて悪かったね」
リシェルは苦笑いを浮かべながら謝り、クロス達はリシェルと別れ、目的地に向かう。