story.40
「……断る」
クロスは少女の行動に答える気はなさそうではっきりと言うと、
「……あのねぇ」
少女はため息を吐き、
「えーと、リシェル=イェブナレスだよ。一応は冒険者だけど、どちらかと言えば、行商人に近いかな? 主に扱っているのは爆薬と治療薬と情報」
クロスからの解答を諦めたようで、自分の名前を名乗ると、
「セフィリア=ユノスです。神官戦士です」
セフィはリシェルに向かい頭を下げる。
「神官戦士?」
リシェルはセフィの言葉に疑問の声をあげ、
「珍しいね」
セフィとクロスを交互に見て言うと、
「何がですか? 神官戦士なんて特に珍しくも」
セフィは疑問の声をあげる。
「セフィは珍しくないよ。珍しいのはこいつ」
リシェルはクロスを指差し言うと、
「あんたが神官戦士と一緒にいるなんて、どういう風の吹き回しだい? 神を信じる気にでもなったかい?」
クロスに向かい聞くが、
「……成り行きだ。なれ合うつもりはない」
クロスはくだらない事を言うなと言いたげな表情で言い、
「まぁ、そうだろうね」
リシェルは納得したのかため息を吐きながら頷く。
(……)
クロスとリシェルの様子にセフィはクロスの過去に何かあったのか気になっているようだが、昨晩の事もあるために何も言わずにクロスを見つめていると、
「ふーん」
リシェルはセフィのクロスに向けられている視線に気づいたようでニヤニヤと笑い、
「リシェル、あまりからかうなよ」
ホックは自分の事は棚に上げ、リシェルに向かい言う。