story.25
「あなたは何を言っているんですか!! 教会を神をおとしいれるような事を言うなんて……」
セフィは神と教会をバカにされ、頭にきたようで男を怒鳴りつけようとするが、
「お前は黙っていろ」
クロスがセフィを静止し、
「それで、お前は神様って『道化』に何を奪われた? 地位か? 名誉か? それとも……家族か?」
神を『道化』と蔑み聞くとクロスの言葉に男は口元を緩ませ、
「何だ? お前も同類か?」
クロスの行く末を『自分と重ねた』ようで、クロスを哀れむように見ると、
「俺達は神に弄ばれてたんだ。神の名のもとに行った事? ふざけるな。ただの人殺しだろ。地位と名誉に取り憑かれ、自分の意にそぐわない者達の命を奪い、私腹を肥やす事のどこが正義だ。どこに神が語る愛がある? 神の愛が本当に平等なら、なぜ、あいつらは殺された? 誰を傷つけたわけでもない。ただ、自分達の信じるものを崇拝し、平和に生きていた者達の命を尊厳を奪ったのは俺達だろ」
男は教会に属する騎士だったのか、教会の指示で行ってきた事に疑問を持ち、教会から離れたように見える。
「そんな事、あるわけありません!!」
セフィは男の言葉を否定するように声をあげるが、
「お嬢ちゃんは何も知らないんだな」
男はセフィを哀れむような表情で見た後、
「正義を語って、愛を語ったって、あそこにはそんなものはない。それを知らずに生きているのはある意味幸せかも知れないが、世間知らずのお嬢ちゃんは哀れだな」
セフィに向かい言うと、
「そんな事は……」
セフィは否定するように声をあげようとするが、
「……言いたい事はそれだけか?」
男の話をただ聞いていたクロスが男に向かい聞く。