story.23
「その意見には賛成だな」
クロスはそう言うとその場に舞い降り、そこにいる男達を斬り伏せて行く。
「クロスさん!?」
セフィはクロスの登場に驚きの声をあげるが、その声は自分の目の前で失われていく命を見て、怯えているようで声は震えている。
「お前、何者だ!?」
男達の中にはクロスの予想通り、実力者がいたようで、クロスの剣を防ぎクロスに向かい言うが、
「……」
クロスは名乗る必要などないと思っているようで、
「ただの人殺しだ」
表情を変える事なく言い、人を斬る事を何かの作業のように淡々とこなすよう行っていくと、
「……調子にのるなよ」
セフィに向かい『神に祈るのは労力の無駄』だと吐き捨てた男が仲間がクロスに斬り伏せられているなか、そう呟きクロスに剣を向け素早く斬りかかる。
「……」
しかし、クロスはその剣を自分の剣で軽く弾くと、
「……化け物かよ」
クロスに剣を向けた男は、自分の剣が簡単に弾かれるとは思っていなかったようで、クロスを睨みつけながらも次の一手を探しているように見え、男がクロスを引きつけたのを見て、野盗達は逃げ出し始める。
(……少しはできるみたいだな)
クロスは男の様子に口元を少しゆるませると、剣を持ち直し、
「!?」
男に斬りかかるが、男は何とかクロスの剣を剣で弾き、クロスに蹴りを入れるが、
「……」
クロスは後方に飛び、その蹴りを交わし、距離を取り、
(……さっきの襲撃班を率いていたヤツもそうだが、なぜ、このレベルの男が野盗まがいの事をしている?)
クロスは対峙している男の実力が野盗の域を超えている事が引っかかっているようで、
「……何で、お前みたいなのが野盗の中にいる?」
男に向かい聞くが、
「答える理由はねぇよ」
男はクロスの質問に答える気はない。
「……そうか」
男の言葉にクロスは頷いた刹那、
「!?」
クロスは男との距離を一気に縮め、男が反応する間も与えずに男の剣を弾き飛ばし、
「なら、力ずくで聞かせて貰おう」
男の首もとに切っ先を向ける。