story.21
クロスとフィルはホックと別れ、襲撃者達の本拠地を探していると、
(……しかし、何も考えない奴らのようだな)
街道沿いの茂みの中に先に襲ったであろう壊れた馬車を見つけてため息を吐き、
「フィル、俺は何か手がかりがないか、この周辺を探すから、もう少し奥を見てきてくれ」
フィルに向かい言うと、
「クー」
フィルは返事をして奥に進む。
(さっきの奴らのリーダー格の男はそこそこの実力だとは思ったが……)
クロスは壊れた馬車を調べながら、先ほどの襲撃者達を思い浮かべると、
(……他はカスだった。バランスが悪すぎるな)
襲撃者の状況を分析しはじめる。
(『飢饉にやられた村の生き残り』、『他の場所を荒らしまわった野盗』か……何かの都合でその2つが手を組んだか? だとしても野盗だとするとリーダー格の男の実力が浮いている。後はあのレベルの人間がいるなら、本拠地にはあいつと同等、もしくはそれ以上の実力者がいるはずだ)
クロスがそう考えていると、
「クー」
フィルは何かを見つけたようでクロスに報告に現れたように見える。
「見つけたのか?」
クロスの言葉にフィルは大きく頷くと、
「クー」
クロスを道案内するように先に進み出す。
(……なんで、あのバカがいるんだ?)
クロスはフィルの案内で襲撃者達の本拠地らしきところに着くと襲撃者達に捕まっているのか縄で縛られているセフィの姿を見つける。
(他に捕まっている人間は……)
クロスはセフィを見て見ぬ振りをすると他に捕まっている人間がいないか探そうとするが、
「クー」
フィルはセフィの事が気に入っているようで、セフィを無視しようとするクロスを非難するような目で見る。
「……あいつは仮にも冒険者だ。自分の身くらい、自分で守らせろ」
クロスはため息を吐き言うと、一般人が捕まっていないことを確認して行く。