story.20
「それじゃあ、俺達は少し人助けをしてくるから、お前らはここで大人しくしてるんだぞ」
ホックは残りのメンバーに留守番をしろと言うと、
「何を言ってるんですか? 俺達も一緒に行きます」
メンバーはついてくると言うが、
「……足手まといになる」
クロスはその言葉を冷たく切り捨てる。
「まぁ、そう言う事だな」
ホックは苦笑いを浮かべ、クロスに同意と、
「依頼者の護衛とこいつらの見張りを頼む」
メンバーに指示を出すが、
「お前も足手まといだ」
クロスは冷たくホックに向かい言う。
「……どう言う意味だ?」
クロスの言葉が癇に障ったようで、ホックは言葉に怒気が含めて言うが、
「そのままだ。ぬるま湯に浸かっている間に、腕が錆びたみたいだからな」
クロスがホックに謝る事はなく、ホックの技量が下がっていると言い切り、
「パーティーの軸になり、先頭で戦う事を忘れたお前に背中を預ける気にはならない」
ホックに向かい足手まといだと言う。
「……クロス」
ホックはクロスの言葉に何か他の意味を感じとったようで、クロスの名を呼ぶと、
「お前の仕事は依頼者の護衛だ。これは依頼外だ」
クロスはそう言い、ホック達に背を向け、
「フィル、行くぞ」
「クー」
フィルを連れて歩き出す。
「……あのバカ」
ホックはクロスの背中を見てそう言うと、
「……先に行く。この仕事が終わるまで、お前は俺のパーティーだ。必ず、追いついてこい」
背を向けるクロスに向かいそう言い、
「休憩は終わりだ。まだ、野盗が隠れている可能性も充分に考えられる。警戒を怠るな」
パーティーに指示を出し先に進む。