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story.14

「……それでもな。色々あるんだよ」


表情を曇らせるクロスに、


「色々ってのはなんだ?」


ホックが頭を押さえながら食堂におりてくるとそう言いクロスの隣に座る。


「親父、水くれ」


ホックは酒が抜けきって無いのか店主に水を頼むと、


「おうよ」


店主は苦笑いを浮かべて、ホックの前に水を置くとホックは一気に水を飲み干すし、


「あいつは気にしないだろ。子のないあいつにとって、お前は息子のようなもんだ」


クロスに言い聞かせるように言うが、


(……だからだろ)


クロスはホックと店主の言う人物に頼る事はしたくないように見える。


「お前を拾い1人前の冒険者にしてくれたヤツだろ。少なくとも……」


ホックはクロスの表情に気づく事なく話を続けていると、


「クー」


クロスの心情を感じ取ったのかフィルがホックの背をつつく。


「……すまないな」


ホックはフィルに止められ、クロスに向かい謝ると、


「……別に」


クロスは何も言いたくないようで不機嫌そうに言う。


「あいつに頼れないなら、俺の仕事を手伝え、隣町までの護衛だけどな。俺はこの町に戻ってくるし、不足分が貯まったら小屋の依頼くらいしてやる」


ホックはクロスに仕事を手伝えと提案すると、


「……仕方ないか」


クロスはため息を吐きながらホックの提案を請ける。


「決まりだな。よろしく頼むぜ。相棒♪」


ホックはクロスの頭を豪快に撫で回す。


「……止めろ」


2人のやりとりを見て、店主は苦笑いを浮かべながら、


「そういえば、小屋はどれくらいの値段って言ってた?」


クロスに小屋の値段を聞く。


「前に聞いた話だと……」


クロスが以前に聞いた金額を2人に話すと、


「……それはぼったくりだ」


「だな」


ホックと店主はため息を吐く。


「そうなのか?」


クロスが聞き返すと、


「坊主とフィルが寝に帰るだけだろ?」


店主はクロスに小屋の用途を確認し、


「あぁ」


クロスは頷く。


「小屋の手続きは俺が知り合いに頼んでやる。こんなぼったくりほっとくわけにいかねぇ」


店主は商売の道から外れた行いに腹を立てているようで、小屋の事を任せろと自分の胸を叩くと、


「……そうか。頼む」


クロスが頷くのを見て、


「それなら、手持ちで足りそうなのか?」


ホックがクロスに所持金の確認をすると、クロスは頷き、親父に必要分の金を渡す。


「確かに受け取った。それで、小屋を建てる金があるなら、仕事はどうするんだ?」


店主はクロスが手伝うと言ったホックの仕事について確認をすると、


「やると言ったからは手伝うさ」


クロスは彼なりの流儀なのか仕事を投げだしはしないと言う。


「そうか。出発は明日の朝だけど大丈夫か?」


ホックはクロスの言葉に安心したように頷くと、クロスに仕事の時間を伝えると、クロスは頷く。


「それなら、よろしく頼むぜ」


ホックは改めてクロスに言うと、


「わかってる。親父、今日はここに泊まるから、部屋空いてるか?」


クロスは野宿では疲れが抜けなかったのか部屋を借りると言うと店主は部屋の鍵を渡し、


「フィル、行くぞ」


「クー」


クロスはフィルを連れて部屋に上がる。



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