story.103
鍛冶師組合
クロス達は依頼の達成を依頼者であるデュオに報告しに鍛冶師組合に顔を出す。
「……そうか。唸り声の原因は巨大蜘蛛か」
「はい。ですけど、わたし達の見立てでは巨大蜘蛛をあの遺跡の中に配置した人がいます」
「……考えられる事は、あの遺跡を調べられては都合の悪い人間がいると言う事か?」
デュオは報告を聞くと遺跡に何かしらヒントがあると考えているのか何かを考えるように言う。
「まぁ、俺の方から調査依頼を出しておこう」
「あぁ、頼む」
デュオは流石に組合の長であるだけあってクロス達からの報告を受けて次にやるべき事を理解しているようで、そう言うとクロスは納得しているようで頷く。
「報酬の方は剣の旅団を通してるから面倒だろうが、蒼き剣亭で受け取ってくれ」
「そうなんですか?」
「あぁ、セフィは初心者だったんだな。基本的にギルドを通した依頼はギルドから情報料を天引きされている。後はクロスにでも聞いてくれ。俺はまだ仕事が残ってるんでな」
デュオが報告はこれまでだと判断し、報酬の話をするとセフィは驚きの声を上げ、デュオはセフィの様子に苦笑いを浮かべる。
「はい」
「……」
「クロス、きちんと説明してやるんだぞ。やらないとあいつに報告させて貰うぞ」
セフィはデュオの言葉に返事をするとクロスは面倒くさそうな表情をするが、デュオはクロスの様子を見て苦笑いを浮かべたまま言う。
「……わかった」
「それじゃあ、今日はありがとうございました」
クロスがデュオの言葉に苦虫を噛み潰したような表情をするとエリスはその様子を見て苦笑いを浮かべながら頭を下げる。
「エリスちゃんは行かないんですか?」
「エリスは鍛冶師組合からの同行だからギルドを通して無いだろ」
「そうですね」
セフィがエリスの様子に首を傾げると後ろで話を聞いていたエリトラがため息を吐きながらセフィに言い、エリスは苦笑いを浮かべて頷く。




