続かない音
とある田畑の多い町の中に 全校生徒320人の小学校。
僕はそこに通う「彩」という。
家族は、いじめられていた僕を小学6年生の春から ここに通わせてくれたのだ。
小学5年生の夏、事件は起きた。
「先生!真菜子ちゃんのリコーダーがありません!」
教室でのこと。
「真菜子、泣かないで」「誰かに取られたんじゃない?」
「誰が取ったんだ?」
ざわめき始めた。
「皆、落ち着いてー! / 皆、顔を伏せて。
先生、怒ってます。これは立派な犯罪です。
取ってしまったなーって人は手をあげなさい。」
―――
「皆、顔をあげて。
犯人は 手をあげませんでした。
犯人が 白状するまで今日は帰れません。」
「え~~」
「先生~、俺、犯人知ってま~す」
「一弥くん、本当に?」
「はい、今日、宗介のロッカーに真菜子のリコーダー入ってるの見ました~!」
「!えっ、いや、取ってないです。」
「見ればわかりますからねー。」
―......さい
「なっんで? なんで、僕のロッカーに......」
「お前が取ったからだろー?」
「っ最低、宗介くん」
―っ......るさい......
「皆、落ち着いて― / 皆、帰っていいよー。
ただ、宗介くんだけは残って」
【ピピピピピィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ】
ーっさいんだよ!!!
バンッ
思いっきり立った。
......
「彩くん?どうしたの......?」
僕は一弥に向かって 歩み始めた。
「なんだ?」
左肩を思いっきり引き、右足を少し前に動かす。
パンッ
運動も勉強もできるセンスの塊みたいなやつだから、腕でガードされた。
教室に数秒の間ができた。
音は降らなかった。
「彩......くん?」
「先生、状況が、どういうこと?」
「僕は、本当の犯人を知っています。それは彼です。一弥です。」
―――――
僕はその後、小学6年生の始業式から転入した。
音と僕は、いつも不運と引き合う
磁石よりも ずっと焦らしてから。




