表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

プリンターから出てきた愛

作者: 出雲 寛人

必要な書類を印刷ボタンを押し、プリンターの前に立つ。


なかなか出てこない。


どうしたんだろう?と思いつつ、あと5秒だけ待ってみる。


5秒経とうとしたその時に、何かのデータをプリンターが受信したようだ。


少し待つと、ウィーン!と言い、ボコン!と出てきた。


ボコン?


出てきたそれは、僕が印刷したものではなく、愛だった。


今の時代、愛も印刷できるんだ。


その事実にびっくりしながらも、愛を印刷した人を探す。


「どなたか愛を印刷しました?」


周りから、「何を言っているんだあいつは」という視線を浴びせられる。


見せた方が早いと思った。


「ほら、これですよ。」


それを見た人は、目がハートになった。


漫画でたまに見かける光景をまさかここで見ることになるとは。


そしてものすごい勢いでこちらに駆け込んでくる。


これはまずいと思い、咄嗟に逃げる。


どう考えても足が遅そうな人も、愛の力かなんなのかわからないが、俊足になっていた。


これは逃げられないなと思って、窓の外に愛を投げた。


すると目がハートの方々は、窓を飛び越えてその手に愛をつかみ取ろうとした。


しかし愛は風に飛ばされてどこかへ行った。


翌日のネットニュースで知ったが、愛に飢えている人が今回のような症状になるらしかった。


これを送ってきたのは、AI国家”愛”らしかった。


愛を使って人間を対象に色々な実験を繰り返しているらしい。


よかった。僕に影響が無くて。


今日も僕はプリンターの前で待っていた。


少し待つと、ウィーン!と言い、モサン!と出てきた。


モサン?


出てきたそれは、僕が印刷したものではなく、サツマイモだった。


僕はそこから意識を失っていたが、次の瞬間には焼き芋の皮が机の上に散らばっていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ