訓練所の朝は早い
訓練所の朝は早い。太陽が地平線から顔を出す前に起床。朝食前にランニング。シャワーで汗を流し、食堂で朝食をとる。その後の訓練内容は日によって変わる。
計画を立て準備し、大量の荷物を背負って行軍。
小は方位磁石から、大は戦車まで。あらゆる道具や兵器の使い方を勉強。
時には地図の上で、または戦闘訓練用フィールドで。様々な状況での戦闘を想定。
毎日が目まぐるしく、過酷で新鮮。カイトはその日々が楽しく、そして心苦しさを覚えていた。眠らされる前に見た光景。目覚めたあの日に見た惨状。生きられなかった人々の事が、時折どうしても脳裏によぎる。
しかし幸か不幸か、それに浸る時間はない。覚える事は膨大だ。今日の訓練は、野戦陣地の設営訓練だった。
「なーんで、俺たちがこんなことしなきゃいけないんだよぉ」
アイゼンが泣き言を言いながら、荷物を運んでいる。メタルボーンに専用の背負子をつけて、指定地点まで移動している。他のサイボーグも、便利に使われていた。メタルボーンという道具は、こういった単純に力を必要とされる場面で重宝される。
民生用のそれが売られており、工事現場で使用されている。それをテロや犯罪に使用する者も、それなりにいるとカイトは聞いていた。
「できることは何でもやらないとね。パワードスーツ部隊が、消火器背負って走り回った話するー?」
「クソ高い装備で何してんだお前らはよ」
「そこ! 無駄話してるんじゃない!」
「はい教官もうしわけありません!」
ロバートが加わり話が盛り上がりかけた所で叱られる。さて、そんなバリー教官の話である。彼が帰郷するとき、故郷の文化に従い身体に肉を蓄えていた。そして一か月後、返って来た時はさらに丸くなっていた。肉団子だと誰かが表現した。そして、そんなバリーよりさらに一回りふくよかな女性を連れてきた。
『俺、結婚した』
『えーーー!』
彼の外観の変わりよう以上に、その報告が多くを驚かせた。幼馴染で結婚の約束があったんだ、とその時バリーがカミングアウト。一部独身男性から呪いの思念を送られていた。カイトはトラウマをえぐられて膝をついた。
ともあれ、そんな幼馴染嫁のエイミー女史と一緒にバリーはダイエットに励んだ。身体を兵士に戻さねばならなかったから。そして、今度は多くの女性から呪われるレベルで見る見る体重を落としていった。最後には、以前以上に仕上がった肉体を完成させたのだ。
『バリー、バージョン2.0って呼んでくれ!』
『わかりました。ばりーばーじょんにーてんぜろ』
『止めろよ本気にするなよ冗談だよ』
『うん。分かってて言った。うざかった』
『こいつめこのやろ』
そのような変移を経て、現在バリーは訓練所の教官をやっている。妻のエイミーも見事にダイエットに成功。鍛え上げられた肉体をもつ美女となり、食堂の調理人として働いている。元々資格を持っていたとの事。
彼女に熱を入れる訓練兵が多数現れたが、カイトが真実を告げることで事故は防がれた。失恋に崩れ落ちるものは多数出たが。閑話休題。
バリー教官に叱られたカイトは、荷物を所定の場所へと運ぶ。そこは訓練所の外周。現在、防壁の設置工事を行っていた。それは、地球のヘスコ防壁とほぼ同じものだった。金網の枠に土を詰め込み、大きなブロックを作る。それを並べていくことで壁にするというもの。
違いは、追加作業で行われる硬化ムース塗り作業である。これには対レーザー成分が混ぜ込まれている。レーザーが命中するとその熱を周囲に逃がす働きを持つ。一撃で吹き飛ぶところを、数発耐えられるようになるというのだ。差がないと思うかもしれない。
しかしそのブロックを三重に並べれば話は違う。レーザー兵器で穴をあけるのは、大きな労力を必要とするようになるのだ。さりとて、それ以外の兵器でもなかなか難しい。高威力のレールガンや、野戦砲を持ち込む必要がある。
万全の防壁など存在しないが、個人武器を止められるだけでも意味はある。訓練兵、工事関係者、工事用ドローンなど総動員で作業を進めている。
「お疲れさまです」
「はい、お疲れさまです」
現場監督をしているベンジャミンに挨拶して荷物を下ろす。彼は士官教育を先延ばしにして、訓練所の工事に参加していた。若干トラブルがあり、工事指揮を取れる人物を必要としていたのだ。
荷物を下ろしながら、アマテラスのネットワークに接続する。いまだ訓練兵にはアクセスできないここには、様々な連絡事項が掲載されている。その中に、訓練所関連の項目がある。最新のものにはこうある。
『訓練所周辺の注意事項。犯罪者集団出没中。ローブン4の自然地域には、都市より離脱した集団が生活している。その中には犯罪集団があり、強盗や密輸などで利益を上げている。現在、訓練所周辺での活動が報告されている。駐在人員はこれに警戒すること』
宇宙世界で山賊ってどういことなの、というのがカイトの素直な感想だった。だが少し考えてみれば、当たり前の事とあきらめがついた。技術はすごいが、貧富の差は依然としてある。ヒトの性根は地球人類とそれほど変わらない。犯罪はあるし、ラヴェジャーもいる。海賊、山賊、盗賊、いて当然いなくて不自然。
それでいて、技術発展の恩恵はしっかり犯罪者も受けているのだから始末が悪い。カイトは、通達にツリー状に連なっているメッセージを読む。
『質問。訓練所周辺の犯罪者集団の武装に関してわかっている事は?』
ダルサンガには、情報部が一般人には秘密裡に駐在している。集団についての情報も彼らからもたらされたものだ。回答も、情報部によるもの。
『回答。詳細は調査中。ローブン4の技術レベルと、犯罪者の補給状態を勘案して1以下と推察する』
技術レベル。既知宇宙は広く、様々な国家が存在する。それぞれの状況も千差万別であり、格差が存在する。使用する道具や武装もまた、地域や国によって性能差が発生しているのだ。
具体的には、このようになっている。
レベル5:覇権国家の最新の秘匿技術。圧倒的であり、それがどのような技術を理解するのも専門家が必要になる。イグニシオンがドラゴンシェルの内部装備に使用している。
レベル4:覇権国家の軍用技術。大国相手に優位を取れる装備の質。経済力と生産力が他を圧倒するレベルでなければ実用できない。戦艦アマテラスがこれによって建造されている。
レベル3:覇権国家の民間技術。大国では軍用。複数の星系を保持できるほどの経済と生産力が必要となる。このレベルでも中小国家や海賊などは手も足も出ない。アマテラスで作られたマイティタートルがこのレベル。現在改造中。
レベル2:大国の民間技術。中小国家では軍用。民間の優秀な宇宙船はこのレベル。ここまでくると、しっかり資金があれば一般人でも手が届く。アマテラスがサバイバル中に使用していた装備の多くがここだった。
レベル1:民間で広く使用されている技術。作りやすく直しやすい。正規の手段で正しく料金を支払えば割とどこでも手に入る。
レベル0:ひと時代前の装備。型遅れ。整備不良品など。辺境や貧乏な国では未だ現役。取るに足りないが、殺傷能力はあるので油断は禁物。
ローブン4およびダルサンガの技術レベルはおよそ2であるとされている。都市から離れて大きな組織のバックアップもないのであれば、1以下となるというのが情報部ならずとも一般的に推察できる。
『質問。犯罪者集団の数とその人数は?』
『回答。調査中。数人から十数人のグループが3~5ほど確認されている。詳細は後日』
カイトは授業で習った知識を交えて考える。仮に、50人程度の武装集団が襲い掛かってきたとする。相手の技術レベルは1であるとする。千人弱の訓練兵、百人程度の一般兵、少数の特別戦力。さらにこの防壁が完成したとする。
武装集団と戦闘して負けるだろうか? まず、ない。仮にあるとすればどんな事態が想定できる?
(内応からの破壊工作……いや、訓練兵の身辺は徹底的に調べたって話だ。それはないと考えていいだろう。もしあったとしても、ネットワークは専門家がチェックしている。外と連絡をすればバレる。……よっぽど組織化した、それこそ軍隊のような相手でもない限り無理だ。そんなのがうろついたら、情報部が見つけるよな。目立つだろうから)
心配しすぎてもしょうがないかな、とカイトはそれについての思考を中断した。
「おーい、ボックス。こっち手伝ってくれ」
あだ名を呼ぶ声に振り向けば、アイゼンが手を振っている。どうやら自分たちに新しい仕事を割り振られたようだ。カイトにも指示メッセージが送信されていた。彼が作業しているのは、鉄条網の設置だ。並べた大型土嚢の上に鉄条網を張り巡らせる。原始的で単純だが、容易に通り抜けられなくなるのは間違いない。
そしてその作業も、人の手では行わない。ドローンに鉄条網のカートリッジを装備させる。後は自動で作業してくれるのだ。
「ロバートはどうしたの?」
「便所から戻ってこねえんだよ。でっかい方だな、うん」
カイトは笑って流すと、カートリッジの交換作業を手伝った。基地全体を覆う土嚢壁であるから、数も相応に多い。複数人で手分けしても、なかなか終わらない。人手が硬化ムース塗りに持って行かれているのも要因だ。
「しかしまあ、うちの傭兵団は金もってるよなあ。こんなに厳重にやるなんて、企業でもめったにねえぜ」
「湯水のように使ってるから、早く稼げるようにならないとね」
「おう、それだよ。俺ちょっと疑問に思ってんだ。これだけの人数と装備だ。半端な仕事じゃ食っていけねえ。でも、相応しい仕事って想像つかねぇんだよな」
「あー」
確かに、とカイトも同じ疑問を覚えた。学んだ所に寄れば、一般的な傭兵の仕事というのは多岐にわたる。個人であれば単純な荒事、危険地帯への護衛や運搬、犯罪者の捕縛などがあるらしい。
宇宙船があれば海賊退治や交易船の護衛、人や物の輸送などもやるらしい。しかし、これらは個人の仕事だ。傭兵団のものではない。
この規模の傭兵にふさわしい仕事とは? 戦艦アマテラスの維持費を超えてさらに稼ぐためには何をするのだろう? 戦艦、という点を踏まえて思い浮かぶことといえば。
「……やっぱり、戦争?」
「あー、傭兵っていえば普通はそれだよな。傭兵団は、でっかい船があるんだっけ?」
「そう。今、改修中の巨大戦艦。覇権国家製のすごいやつ」
「そいつは豪勢だ。さぞかし強いんだろうなぁ」
「ううん……たぶん」
何とも言い難く、言葉を濁さざるを得ない。カイト達が覚えているのは、ボロボロで手がかかる巨大戦艦。あれがどの程度の戦闘能力を獲得するのか、見当がつかない。半端な事にはならないとは思っている。だが、どれほど上等な戦闘力を得るのかと言われると見当がつかないのだ。
一般的な戦艦については学んだ。しかし、光輝同盟の技術力、アキラという動力、カメリアの情報処理、そしてシュテイン大尉の操舵技術。
「……たぶん、きっと、酷い事になるんだろうなあ」
「あ? なんか言ったか?」
「あー……気にしないでくれ」
確かな事を言えないのだから、話半分でもするものではない。そんな風に思っていると、管理棟方面からロバートが小走りで戻ってきた。
「おかえりー」
「おせえぞ。便所での戦い、苦戦したようだな」
「ちげーよ。管理棟の方が騒がしくてな。ちょっと探ってみたがわからなかった。ボックス、お前何か聞いてないか?」
「えー? いや、特には……」
カイトは首をかしげる。犯罪者集団の事かと思ったが、仮に襲撃だとしたらさっさとサイレンを鳴らすはずだ。ネットワークを覗いてみようかとも考えるが、そこで知った情報を話すのはよろしくない。
緊急時でもないので、分からぬままとしておく。
「管理棟っていえばよ、あれも不思議だよな」
「アイゼン、いくらバリー教官が近くにいないからってあんまりおしゃべりは……」
「手ぇ動かしてるからいいだろぉ? でよ、管理棟ってなんか他と違わねえか? みょーに小奇麗っつーか、気合入ってるっつーか」
彼の言う通り、訓練所の中で管理棟だけ作りが違う。兵舎や教室棟、戦闘訓練用フィールドと作風が別ものなのだ。カイトは苦笑する。
「それ、聞きたい? とてもひどい話なのだけど」
「なんだよ、知ってるならもったいぶるなよ」
アイゼンがにやにやと笑い、ロバートも片頬を吊り上げながら顎で促してくる。カイトはしっかり仕事しつつ、管理棟建設にまつわる失敗談を語る。
「アキラ艦長はこの星に訓練所を作るにあたり、ノース・ラインズ社と提携を結んだ。その中の一つに、ここの建設もあったんだ」
「は? 作ってねえだろ? 今だって俺たちが手を出してるし、ほかの棟だって……」
「そうなんだ、アイゼン。まず結論から言うと……ノース・ラインズがしくじった。正確にはその下請けが」
企業たるもの、認知度は重要なステータスだ。知られていればそれだけ仕事が多く入ってくる。公共物に携わるのは大きなチャンスだ。それだけ知名度が上がるし、あそこはうちが入ったんですと言えるだけでも大きな武器になる。
ノース・ラインズ傘下の建築会社も当然そのように考えていて、訓練所の仕事は大きく意義のあるもだった。
「で、やらかした」
「「やらかした」」
カメリアが発注した建設計画は、とても一般的なものだった。ローブン4の技術レベル2に合わせた、無理のないもの。当然、予算もそれに見合ったものだった。建設会社としてはこれが不服だった。
彼らは自社のランドマークとしてこの建設に臨んていた。どこにでもあるようなありきたりなものでは次につながらない。なので計画を無視し、技術と予算をつぎ込んで管理棟を建設した。
そして建設が終わった管理棟を引き渡し、彼らの望む基地の図面を広げたのだ。完成すれば、ロケド新星系連合内で最大の軍事基地になる。会社の名は国内外に轟くことになるだろう。
これだけの無茶をしたのには、当然それなりの勝算があってのこと。まず、何を置いてもこの会社がダルサンガ最大の建築屋であること。都市内では確固たる地位を築いており、同業他社には睨みが利く。ここがそっぽを向けば、他は追随せざるを得ない。
加えて、材料の仕入れにも影響力をもっている。ダルザンガでまともに建物を立てたければ、この企業の力を無視できないのだ。
もちろん、これだけの無茶をするのだから譲歩もするつもりだった。利益を求めず、ギリギリのコストで作るつもりだった。それでも費用は膨大になるが、それは国で最大規模の基地を作るうえで仕方がない事と会社は思っていた。
「で、カメリア主計長はこれを全力で蹴り飛ばした。材料も労働力も全部宇宙から持ち込んだ」
この時、建築会社を紹介したノース・ラインズ社にも厳重な抗議をした。結果的に契約不履行ということで料金は支払われず、建築会社は大きく傾くことになった。経営陣は全員首になったと報告を受けている。
「こうして、訓練所にはやたらと豪華な管理棟だけが残った。急ピッチで残りの設備が立てられ、現在に繋がっているというわけ。防衛設備が未だ工事中なのも、アマテラスの主計課が参加しているのもその名残なわけ」
「最悪にやらかしてるじゃねーか」
「建築費、材料費、工具……でっけえ商機がぶっ飛んでやがる」
アイゼンが呻き、ロバートが罵る。カイトも乾いた笑いを浮かべるしかない。
「結局、井の中の蛙だったんだよねえ……」
「何だそれ? 何処の言い回しだ?」
「ああ、ごめん。故郷のことわざで、世間知らずって意味……お?」
ロバートの質問に答えていた所、空から空気の震えが伝わってくる。宇宙船が、降下してきているのだ。
「管理棟が騒がしかったのはこれか?」
「感じ的に、ここを目指してるっぽいからそうだろうね」
「おい、見に行かねえか? 降りるのあっちだろ?」
発着エリアのある方向を指さすアイゼンに首を横に振る。
「いよいよもって叱られるから絶対やめようね。せめて仕事を片付けてからにしよう」
「ったく、ボックスはいい子ちゃんだからよー」
「お友達に叱られたくねえのさ。言ってやるな」
「そーいうロバートもいじってくるんだから」
無駄話を挟みつつ、仕事をこなす。空から聞こえてくる音が徐々に大きくなっていく。それはやがて彼らの身体や資材類を震わせるほどに変わる。周囲の訓練兵達が空を見て指を指す。流石にそうなってくると気も散るため、カイトも空を見た。
大型の輸送船が、ゆっくりと降下してくる。大気圏内の移動を配慮して、その船体は丸みを帯びている。加えて、上昇下降のための推進器も数があり大きい。
見えないが、内部には慣性制御装置も搭載されているだろう。離脱と突入の助けとするために。
輸送船が降りてくるのは珍しいことではない。人員の移動および物資補給のため、定期的にやってくる。しかし、この船は予定外のものだった。故に皆が珍しがっている。
「こらー! 野次馬やってんじゃない! 仕事に戻れ仕事にー!」
輸送船が着陸し騒音も収まり始めた頃、バリーの怒号が響き渡る。訓練兵としては情けないが、致し方がないことでもある。ダルサンガの宇宙港はノース・ラインズ専用だ。一般人が宇宙船や降下船を間近で見る機会はほとんど無い。訓練で見学する機会があったときなどは、誰も彼もが子供のように目を輝かせていた。
それを聞き流しながら、カイトたちは次の作業場所へ移動する。そして、遠目であったがそれを見た。輸送船から下ろされる兵器の数々を。
「おい、なんだありゃ。ゴッツいなぁ」
「ノースやほかの企業のやつじゃないな。他国のか?」
アイゼンとロバートが鋭く反応する。機械化した目で望遠拡大し、細部を確認しようとする。当然、足が止まる。
「二人とも、見るのは仕事場に移動してからね。また教官に叱られるよ。あとあれ、光輝同盟製の軍用品だと思うよ。技術レベル4」
「マジかよ……超お宝じゃねーか」
「正規兵になったら俺たちも使うんだよ、アイゼン。授業でやったよね?」
「そうだっけか?」
「あれだけはしゃいだのに忘れたのかお前……」
そんな会話をしつつ、カイトは疑問を覚える。この訓練所に、レベル2以上の装備を持ち込む予定はなかったはずだ。アイゼンの言うように、この星では品質以上の価値をもつ。周囲を刺激するので、仮に持ち込んでも最低限かつ秘匿する予定だった。カイトの暴乱細胞のように。
兵器が移動すると、次に現れたのは兵士だった。一人残らず、獣人。遠目から見ても、素人ではない。鍛えた者特有の、芯の通った立ち姿。ただ歩くだけでも、違いが分かる。訓練兵であのレベルの歩きが出来る者は居ない。ジョウやバリーでも難しいか。
カイトの知らない兵士達。彼らが何者かわかるのは、この日の夜のことだった。……なおこの時、見知った顔が一緒に降りていたのだが兵士に気を取られて彼は見逃した。




