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夏から水

作者: タマネギ

パソコン前にして、

一日が始まって、

水を入れてバナナ食べて、

いつもの薬を三つ。


眠くて目を閉じて、

椅子の背に凭れ、

聞こえるのは蟬時雨、

吸い込んではうとうと。


夏の音だな。

昔からそうだな。

どこで何をしていても

この音、好きだな。



誰もいない部屋で

一人だけで始まる。

水を飲んでファイル開けて、

いつものエクセル眺めて。


また眠たくなって、

時計、気にしながら、

鳴り続ける蟬時雨、

誘われてうとうと。


夏の朝だな。

昔ならどうかな。

エアコンの風にすがる

この朝、変わったな。



おはようございます。

誰かが声かけて、

水を置いて振り返れば、

三つ、年上、Iさん。


おはようございます。

一人じゃなくなる。

もう感じ難い蟬時雨。

それなのにうとうと。


仕事はきついな。

昔よりましかな。

死ぬまで働くつもりが

この頃、無理かな。



蝉時雨の朝は、

壁の向こう側で、

水を蛇口から流して、

いつもの夏にして。


時代は変わり果て、

何を言ってるのか、

わからないことにして、

生きていて、うとうと。


夏の水だな。

昔には、戻れない。

蟬時雨は水なんだな。

この水、めぐるんだな。

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― 新着の感想 ―
[一言]  蝉時雨。  風鈴、うちわ、扇風機。  夏の情景も、なんだか変わってしまいましたね。  それでも、何かのきっかけでよみがえる風景もあるでしょうし。  夏休みに特別なものを抱いていた、我々の内…
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