第62話 光の勇者との戦い(開戦)
「装着!」
バギ!
カイルの拳を受けたノブナガの剣は砕け散った。
カイルは油断したノブナガを一撃で倒すつもりで放った拳は、惜しくもノブナガの剣に阻まれた。
「貴様! 死んだのではないのか!? ナイフは心臓に刺さったはずだ」
「ええ、ですから、心臓の穴を塞ぎました。鍵を使って」
長年カイルの心臓にあった鍵を自分の装備として登録していた。
ナビちゃんの案ではノアールを取り戻したあと、スキル瞬間装着で鍵を取り戻し、ノブナガを倒し、ノアールと二人で超時空光速船ドギンラへと戻ると言う物だった。
それがまさか、ノアールが刺したナイフの傷を塞ぐために使うとはナビちゃんも考えていなかった。
「カイル……良かった。ごめんなさい、操られていたとはいえカイルを殺そうとするなんて……」
「いいんです。ノブナガが全ての元凶です。それよりも危険なので下がっていてください」
カイルはコンバットスーツを身につけながらノアールを庇うようにノブナガの前に立つ。
ノブナガは砕けた剣を投げ捨てた。
「魂のこもっておらん、剣はすぐに駄目になるのう。やはり刀は光忠じゃなのう」
そう言うと左の手の平から反り片刃の刀を取り出した。
日本刀それも備前長船光忠作というのはこの場ではノブナガしか分からなかった。
しかし、その妖しげな輝きを見て、カイルはその武器がただの武器でない直感した。
「さて、鍵が小僧の心臓にあると言うのなら、話は早い。胸を切り裂いて、引っ張り出せば良いだけじゃな。簡単なことじゃな。あの時、知っとればこんな手間をかけんでよかったのにのう」
ノブナガは面倒そうにそう言って、刀を軽く振ると刀から光がカイルに襲いかかった。
カイルは反射的に避けると、部屋の壁がすっぱりと切れる。
「ナビちゃん、部分シールド。強度マックスで!」
カイルはシールドを構えてノブナガの攻撃に備える。
ノブナガは続けざまに光の刃を放つ。
カイルは余裕を持って避けると、カイルの後ろの壁が切り刻まれて穴が開いた。
カイルはレーザーガンを抜くとノブナガに向かってレーザーを放つと、ノブナガもレーザーを避けるために、光の刃での攻撃が弱まる。
「ノアール! 今のうちに安全な所に逃げてください。ノブナガは僕が引き受けます」
「分かったわ。無理をしないでね」
ノアールはそう言うと部屋から退去した。
それを見たノブナガはノアールに向かって光の刃をいくつも放つ。
ノアールを殺すのが目的ではない。ノアールを狙えば、その刃をカイルが受けるしかないと考えての攻撃だった。
ノブナガの狙い通り、カイルは刃の前に立ち、シールドを構える。
「そんな薄っぺらな盾は一撃で砕けるぞ」
キンキンキン。
カイルは刃をまともに受けずに、シールドを斜めにして受け流す。
「そんなものですか?」
カイルはそう言うと反撃を開始した。




