第51話 超時空光速船ドギンラ
石造りのほこらは山肌にめり込むように作られていた。
人ひとりが入れるような大きさで、ほこらの入り口は銀色の扉が付いていて、特に装飾物などもなく、ぱっと見た感じはほこらと言うよりもダンジョンの入り口のようだった。
「これって本当にほこらですか? 神の像もなにもないですが」
「確かにそらの神のほこらのはずじゃがな。神の像は誰かに持ち去られたのかもしれんがな」
そう言うと、サブロウはほこらの前にしゃがみ込んで手を合わせた。
それを見てノアールが同じように手を合わせる。続いてネーラも手を合わせた。
最後にカイルが手を合わせてつぶやいた。
「銀色の鯨が見つかりますように」
『声紋照合しました。ゲートオープンします』
ナビちゃんと同じ声がほこらから響き、銀色の扉が開いた。
「なに!?」
「なんだニャ?」
ノアールとネーラが同時に声を上げる。
カイルはこっそりとナビちゃんに尋ねた。
「ナビちゃん。これはどういうこと?」
『ここはカイルが探している銀色の鯨、つまり宇宙刑事ギャバリアンの超時空光速船ドギンラの入り口です』
「え!? よく分からないけど……つまり、ここが目的地と言うこと?」
『そういうことです』
カイルはナビちゃんの回答を聞いて理解した。
アズワルドが言っていた銀色の鯨はここに埋まっており、入口まで埋まってしまわないようにほこらが作られていたのだろう。宇宙刑事ギャバリアンや超時空光速船ドギンラはさっぱり分からないが、中には自分の出生について何か分かるものがあるかも知れない。
カイルは気持ちを決めた。
「中に入ってみましょうか」
「カイル、大丈夫なの?」
「大丈夫でしょう。何かあったら僕が守りますから」
「それもそうね」
ノアールも中に入る覚悟を決めて、ネーラを見ると、ネーラは不安そうな顔をしていた。
「ネーラはサブロウさんとここで待ってて良いのよ」
「嫌ニャ、一人で待つぐらいなら、一緒に行くニャ」
そう言ってネーラはノアールの手を握った。
ノアールはその手を握り返した。優しく、力強く。
「それで、サブロウさんはどうしますか?」
カイルは状況について行けないのか、唖然とした顔で扉の開いたほこらを見つめているサブロウに話しかけた。
その言葉にサブロウは我を取り戻したようにか、自分も一緒に行くと返事をした。
「では、安全のために鎧を着けますが、驚かないでくださいね」
カイルはそう言うとコンバットスーツを身につけた。
それを見たサブロウはつぶやいた。
「キンカン頭」
「ええ、この兜はつるっとしていますからね。じゃあ、僕が先頭に立ちますから、行きましょうか」
カイルが真っ暗な扉の中へと入ると、突然明かりが付いた。
火でもなく、太陽光でもなく、魔法の光でもない。カイルのコンバットスーツと同じように電気による光。金属で囲まれた人工的な通路が続き、十分ほど歩くと正面に扉が現れた。カイルが近づくと、入口と同じように自動的に開いた。
カイル達三人が中に入ると、そこは部屋になっていた。
正面に大きなモニターのような物があり、その下には色々な計測器やスイッチ、ハンドルがある。
それが操作できるように椅子があった。
「ナビちゃん、ここは?」
『コントロールルームです。お帰りなさい、カイル』
ナビちゃんと全く同じ声がコントロールルームから聞こえてきた。
「誰ニャ!」
ネーラはノアールの手をぎゅっと握りしめて、叫んだ。




