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92 父との会話

( '-' )トーチャン

「すぅ……すぅ……」


隣でスヤスヤと眠る琥珀。その寝顔が可愛すぎて思わずキスしたくなるのを抑えるので精一杯だった。


「お疲れ様。どうだった?」


前の方でも母さんが寝ているので、自然と父さんは俺に話しかけてきていた。


「楽しかったよ。ただ、やっぱり琥珀は絶叫系は大変だったみたいだけど」

「それは少し可哀想なことをしたかな。まあ、でも琥珀ちゃんと僕みたいに慣れるかもしれないし」

「慣れる?」

「うん、僕も昔はああいう絶叫系は苦手だったんだよ」


意外な事実だった。思えばそこまで両親のこと深く聞いたことは無かったしね。これも琥珀のお陰か。


「でも……ふふ。暁斗のあんなに楽しそうな顔は久しぶりに見たかも」

「そう?」

「こういう所連れてきてもあんまり楽しそうじゃなかったからね」


まあ、夫婦で楽しそうにしてて俺は割と冷静だったからだろう。今日は琥珀がいたからこそ、こんなに楽しめたし。


「琥珀ちゃんには感謝だね。息子をこんなに幸せにしてくれたんだから」

「……そうかもね」

「昨日のこと、少し引き摺ってた?」


思わぬ鋭い指摘に俺は少し間を開けてから答えた。


「かもしれない。でも、琥珀にはバレバレだったよ」

「女の子って勘が鋭いからねぇ。ましてや好きな相手だし仕方ないか」

「本当に、琥珀には何度も救われてばかりだよ。多分、琥珀が居なければ俺は壊れていたかもしれないし」


今こうして隣で可愛らしく寝息を立ててる琥珀がいるからこそ、俺は変わらずに居られるのだろう。もう、絶対に失いたくない。もう離したくない。ずっとそばに居たいのだ。


「ねぇ、暁斗」

「なに?」

「きっとね、琥珀ちゃんも同じだと思うんだ」


いつもより優しい声音で父さんは言った。


「琥珀ちゃんは暁斗が居たからこそ、救われたと思うんだ。だから、2人とも互いを助け合ってるんだよ」

「……だったら、嬉しいかな」


本当は俺の助けたなんて大したことはないと思うけど。琥珀が救ってくれたことに比べれば俺なんてほとんど何もしてないくらいだ。でも、そんな俺でも琥珀が必要としてくれるならそばに居たい。


俺は琥珀を必要としている。だから、琥珀にもそばに居て貰いたい。うん、たったそれだけの話なのだろう。


「父さん」

「なんだい?」

「母さんの相手お疲れ様」


そう言うと父さんは少し驚いたような表情を浮かべてから苦笑して言った。


「どうも」


それから室内は無言になったが、俺は俺で琥珀の寝顔を眺めていたので有用な時間だったとだけ説明しておく。とりあえず、琥珀たんは可愛い(確信)

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