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86 順番待ち

(っ ॑꒳ ॑c)マッテル

「琥珀、無理しなくても大丈夫だよ?」


バイキングの後に両親がジェットコースターに並んだのを見て行こうとする琥珀にそう言うと琥珀は健気に微笑んで言った。


「せっかくの遊園地だから、あっくんと色々乗りたいなぁ……なんて、えへへ」

「……そっか」


くそ、めちゃくちゃ可愛い。流石俺の琥珀たんだ。まあ、本当にヤバそうならこの後少し休憩すればいいかと思い両親の後ろで順番待ちする。


「あっくんはジェットコースターは初めて?」

「んー、まあね。両親が乗るのを眺めてるのが基本だったし」


前の時は幼くて、身長足りなくて乗れなかったのだ。でも、構わずに夫婦2人で絶叫系アトラクションに乗るのは流石としか言えない。まあ、あの時は待ち時間ほとんど無して乗れたからこそだとも言えるか。


「ふふ、暁斗も琥珀ちゃんもきっと気に入るわよ〜」


その母さんの言葉に苦笑する父さん。琥珀は確かにいい反応をしてくれそうだけど、何回も乗るほど気に入るとは思えないものだ。


「僕達は多分何回かジェットコースター乗るから、暁斗と琥珀ちゃんは1回乗ったら休んでていいよ」

「え……な、何回か乗るんですか……?」

「まあね、僕の奥さんが好きだから」


相変わらず母さんに甘いけど、父さんの気持ちも分からなくはない。俺も琥珀には甘々だしね。


「もう、2人の前で大好きなんて……大胆ね〜」

「ははは、まあね」


意味的には違うけど、まあ、確かに本心なのだろう。思えば、この両親はずっとこんな感じなのである意味理想の夫婦像なのかもしれない。結婚してから変わる夫婦も少なくないしね。


俺は琥珀のことをずっと愛せると確信しているけど、良き夫、理想の男でずっといるのはきっと大変なことだ。でも、それでも琥珀の側にいるためならなんでもする覚悟はある。もう、絶対に失いたくないし、失ってから気づきたくないんだ。


「父さん」

「ん?なんだい?」


楽しげに琥珀と話す母さんに聞こえないように俺は小声で父さんに聞いた。


「本当はそこまで絶叫系アトラクション好きじゃないでしょ?」


その俺の言葉に父さんは一瞬キョトンとしてからくすりと笑って言った。


「まあね。でも、好きな人の好きなものなら、一緒に楽しみたいでしょ?」

「確かにね」


やはり親子なのだろう。こういうところは俺は父さんにそっくりなのかもしれない。


「あとね、僕達だけじゃなくて、相手もそう思ってるからそこは間違えちゃダメだよ?」


そんななんともタメになることまで教えてくれるのだから父さんは凄いのかもしれない。



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