74 期末テスト
(๑و•̀ω•́)و
テニスの大会やら、プール開きやらがある中でも、当然期末テストがあったわけで、今回も順位が貼り出されていた。
1位 6組 今泉暁斗 498点
2位 2組 浪川黒華 480点
今回も俺と浪川のワンツーフィニッシュ。俺はケアレスミスで2点ほど点数を落としたが、余裕で学年1になってしまった。というか、前回のパーフェクトがねぇ……。
まあ、他は軒並み下がってる中でなかなかやったと思う。
「おぉ〜、やっぱりあっくんと黒華ちゃん凄いねぇ」
「たまたまだよ」
「そうね」
俺の場合は完全に狡でもあるが……まあ、この曇りない純粋な瞳を曇らせたくないのでそうはぐらかす。まあ、今回ももちろん、琥珀の勉強は俺が見た。浪川は基本的に天才タイプなのであまり教えるのは向かない。それに、これは俺の特権だからね。
因みに、琥珀は今回も総合で360点くらいと前より少しだけ高めなので頑張ったと思う。これはご褒美をちゃんと用意しないと。
「にしても、そろそろ夏休みね。2人はデート?」
「ふぇ……?あっくんとデート……えへへ……」
うん、今日も絶好調に可愛い琥珀。本当はそれが1番だが……
「お盆の間は祖父母の家にいるけど、それ以外なら友達同士で遊んでも構わないよ」
「あら?嫉妬しないんだ」
「してるよ。だから、出掛けたらその分後で琥珀は可愛がる予定」
「……面倒な彼氏ね」
真顔で言うなよ。
「むぅ、あっくん面倒じゃないもん」
愛してるぞ琥珀!
「はいはい、ご馳走様。まあ、部活も落ち着いたみたいだしいいんじゃない?」
「ま、それはね」
結局、県大会には琥珀は来れなかったので俺は2回戦で敗退した。琥珀が居なかったので調子が出なかったというと言い訳に聞こえそうだが、まあ地区大会は琥珀がいたから頑張りすぎたので丁度いいだろう。
やるからには本気で……とは、思っても、やっぱり人間、やる気スイッチが入る時と入らない時ってあると思う。それを強みにする人はある意味天才なのだろう。
そんな訳で俺は憂鬱だった大会関連を忘れて自由に琥珀との夏休みをエンジョイできるのだ。
「ま、教師からは目をつけられてそうだけどね」
「言うなよ……俺だって、可愛い彼女がいたから頑張れただけだし」
顧問は何気に口出ししようとしてきそうだが、そこは担任様々で、ある程度守ってくれてるから助かる。
「夏休み中は顔を見なくて済みそうね」
「え?」
「琥珀とは会うわよ」
「そっか〜」
ホッとする琥珀。まあ、俺も出来れば浪川と会いたくないが……バイト先で会わないことを祈ろう。そんな感じで期末テストが終わると一気に夏休みモードが近くなるのだった。