68 服と胸
( ゜∀゜)o彡°
「これも琥珀に似合いそうね」
「そうかな?今度あっくんにも聞いてみるね」
楽しげに服を選ぶ琥珀と黒華。もちろん、高いものを買うほどお金は持ってないが、寄りたくなってしまうのだ。まあ、黒華に関しては父親からかなりのお小遣いを貰っているので買えないこともないが……そこは、金銭感覚が一般的なので無駄遣いをすることはそうそう無いのだった。
「それにして、琥珀は本当に可愛い系の服似合うね」
フリルのついた服などが普通に似合うので黒華としては羨ましくなる。
「黒華ちゃんはスレンダーだからカッコイイよね」
琥珀とは対照的にスレンダーな黒華はある程度大人っぽい服が似合う。しかし、黒華としてはそれはあまり嬉しくなかったりする。何故なら……
「ただ、貧乳ってだけだけどね」
チラっと琥珀の胸に視線を向ける。標準よりやや上だろうか?確かな母性の膨らみが確かにそこにはあった。黒華の密かな悩み、それが胸の成長の遅さだ。悲しいことにツルペタな胸はなかなか育たない。
「琥珀は結構大きいよね」
「黒華ちゃん、恥ずかしいよ……」
なんとなく胸を隠して恥ずかしがる琥珀。同性でも、この手の話の免疫が少ない琥珀はやはり恥ずかしいのだ。
「まあ、男は胸が大きい方が好きらしいし、琥珀はかなり恵まれてるよね」
「そうなの?」
「今泉だって多分そうじゃない?」
「あっくん……でも、あっくんは、あんまりそういう事言わないし……」
クラスメイトの男子達が胸の大きな女子を見てその手の話をしてるのは知ってるが、暁斗に関しては全くその気配がない。自分に興味が無いのだろうかと、少しだけ不安にもなるが……
「まあ、そうだろうね。今泉って琥珀のこと本当大切に思ってるから、琥珀の気持ちを優先してるっぽいし」
そう、暁斗はいつだって琥珀のことを真剣に考えてくれている。琥珀だって、彼氏彼女がする”そういう事”に関して若干の知識はある。少し怖いけど、暁斗が求めるならいいかなと思うが……でも、いつもカッコ良くて優しい暁斗がそういうことを求めてくることがあまり想像出来なかった。
(でも、あっくんなら、お姫様みたいに優しくしてくれそう……えへへ……)
琥珀が好きな少女漫画みたいに優しくベッドに誘う暁斗。それを想像すると思わずにやけてしまう。
「おーい、琥珀?自分の世界に入っちゃったか……」
ボーッとする琥珀を見て苦笑する黒華。それにしても、琥珀と自分のこの胸の差は何なのだろうか?やっぱり彼氏がいると大きくなるのだろうかと、地味に気になりつつ、2人はショッピングを続けるのだった。