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66 地区大会

ダイジェスト|ョ・`ェ・)

『続きまして、男子シングルス3位、今泉暁斗選手です』


ついにやって来た地区大会、琥珀からの「あっくん、頑張れぇ!」という可愛らしい応援しか記憶にないが、俺は個人でベスト4入り……というか、初大会で3位入賞という記録を残してしまった。


団体戦は残念ながら3回戦敗退となったが、まあ、それでもウチの学校にして快挙なので顧問の機嫌も悪くは無かった。


まあ、これで俺は県大会に出る羽目になったが……琥珀が心底嬉しそうに拍手をしているので悪い気はしない。貰ったお守りの効果なのかな?手作りのお守りはちゃんと肌身離さず持ち歩いており、これと琥珀の応援というダブル効果で俺のやる気は漲っていた。


とはいえ、琥珀のエール以外は試合について全く覚えてないのだが……あと、琥珀の手作りのお弁当は美味しかった。やっぱり琥珀は俺の胃袋を余裕で掴んでくれるから凄い。


そして、女子の方は個人、団体どっちも県大会行きを余裕で決めたらしい。どうでもいい情報だけど、琥珀の隣で付き添いで来ていた浪川がそう報告していた。


「あっくん、おめでとう!」

「ありがとう、琥珀の応援のお陰だよ」

「ううん、あっくんが頑張ったからだよ。凄くカッコよかったよ」


ニコニコ顔でそんなことを言われてしまうと我慢出来なくなりそうになるが……今は汗かいてるから抱きしめるのは不味いよなぁ……でも、可愛すぎるんだよぉ!


「じゃあ、荷物纏めてさっさと帰ろうか」

「部活の方はいいの?」

「まあな、そっちはパス」

「まあ、そう言うとは思ってたけど」


浪川的には個人で3位という快挙に盛り上がる、いつもは全く来ない顧問からのウザイ祝勝会の誘いを俺が蹴ることは予想出来ていたのだろう。別に俺はオッサンのために試合を頑張った訳でもないので、帰りは好きにさせて貰う。


「琥珀、前の喫茶店行く?」

「うん!黒華ちゃんも来るよね?」

「そうね、琥珀が行くなら」


本当は2人きりが良かったが……まあ、琥珀が親友を誘うのは想定内なので気にしないでおく。それに、楽しげに浪川と話す琥珀を見てると安心するしね。


百合ルートでなければ許容することは可能だ。女の子同士の絡みは嫌いではないけど、琥珀が他の誰かと絡む姿を想像するとかなりイラッとしてしまう。我がことながら、独占欲が強すぎるのも時に苦労するものだ。


「あっくん、行こう」

「ああ、そうだね」


俺の手を引く琥珀。無邪気なその笑みを見てると、今日運動を頑張ったことが間違いでなかったように思う。まあ、これで県大会に出なければならなくなったのだが……こんなモチベーションなのでそこそこの成績で終わりそうだと予想してしまう。


まあ、それはともかく……なんで俺の彼女はこんなに可愛いのだろう?早く汗を流して抱きしめたいものだ。





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