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63 壮行会

なんちゃって大会( -ω- `)フッ

早いものであっという間に6月に入った。そろそろ部活動も地区大会が近いのだが、本来なら1年生で大会に関係ある人間はそこまで多くないだろう。ほとんど初めての大会は先輩のサポートに回ったりするだろうからだ。


そんな中で、俺が入部したテニス部は人数が少ないので1年の俺でも個人と団体戦でレギュラーが確約されていた。


『いや、今泉の場合普通に実力だから』


同じ1年の古賀にはそんなことを言われたけど、俺としてはあまり大会へのモチベーションは高くなかった。いや、もちろん出るとなると頑張ろうとは思うよ。でも、一方でその時間を琥珀のために使いたいという気持ちがあってね。


練習に手を抜いたりしてる訳ではないけど、やっぱり本気で取り組んでる人には負けると思う。


話がそれたが、とにかく俺も地区大会には出ることになっており、そして避けられないのが壮行会だ。部活動をしてる生徒でレギュラーメンバーなら確実にやらなければならないものだが、俺はあんまり好きじゃないんだよね。


前回も1年で剣道部のレギュラーとして団体戦には出たんだけど……なんか道着で壇上に立つと視線が凄くてね。まあ、今回はそれよりマシと分かっているのだが……


(なんか前回より視線が集まってる気がする……)


何故だろう、普通に目立っている気がしてならない。まあ、そんなことよりも真っ先に見つけてその表情に『あっくん、かっこいい』と書かれている琥珀を見て悶えそうになるのを耐えるのが辛かった。


応援委員会やその他の準備の方には申し訳ないが、全く話を聞いてなく、俺は琥珀にだけこっそり笑顔を向けていた。部長が代表してコメントしていても変わらずに琥珀を見てるのだから、俺は心から琥珀が大好きなのだろう。


……すぐ隣で『こいつらまたかよ』的な呆れ顔の浪川が居なければもっと楽しかったのに。あれから、琥珀と浪川は更に仲良くなったと思う。クラスの雰囲気もあの3人が消えたことで表向き不穏な奴らは消えたと言える。


本当なら琥珀のクラスの担任も不祥事で交代させたいが……あれは来年のクラス替えまで残して精々利用しようと思う。そうして、琥珀を見つめてるだけで過ぎた壮行会だったが、そんな俺に気づいたように部長はクスリと笑って言った。


「今泉くん、本当に彼女さんのこと好きなんだね」

「当たり前ですよ」

「あの転校騒ぎもそうなんだよね?」


こっそりとそう聞いてくる。流石気づいているようだ。まあ、この人なら知ってても広めたりしないだろから頷いておく。


「少し協力者がいまして」

「怖いねぇ。そうそう、地区大会は休みの日だし、彼女さん連れてきたらどう?」

「それもいいかもしれませんね」


日焼け止めと日傘は必須だろう。黒ギャル琥珀たんも良さげだけど、今の真っ白なピュア琥珀たんも素敵なので。まあ、これは来たがったらの話だが。


「ちなみに連れてきたら、試合中以外は団体行動放置しますけどいいですか?」

「勝てば問題ないかな。最低でも1回戦突破すればメンバーは文句は言わないと思うよ。来年からは知らないけど」

「そこは最悪助っ人を呼びますよ」

「そう?なら、頑張ろうか」


ポンと肩を叩かれて教室に戻る。にしても、やっぱり部長はなかなか油断ならない人かもしれない。情報の件から分かってたけど、人の使い方も上手い。学べるところは学ばないとな。


あと、地味にイケメンなのも。俺は琥珀だけにモテればいいからそこまで気にしてないけど……やっぱり琥珀好みの顔が1番だよね。ちなみに琥珀は容姿も中身も俺の好みドストライクなのだ!というか、琥珀という存在が愛おしすぎてもうヤバいよねぇ。


結論、琥珀は可愛い(キリッ)









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