50 靴擦れ
ԅ(*´∀`*ԅ)
「えへへ。あっくん、ありがとう」
嬉しそうに小さなハート型のネックレスを着ける琥珀。安物だけど、デートの記念にプレゼントしたのだ。ヘアアクセ関連か服でもいいと思ったんだけど……謙虚で無欲な琥珀は遠慮するので、まだプレゼントしてない分野にしたのだ。
と、それはともかく……
「琥珀」
「ふぇ……!?あ、あっくん……?」
俺は琥珀をお姫様抱っこすると、そのまま近くのベンチまで連れて行って座らせる。突然のお姫様抱っこに驚いてあわあわする琥珀は可愛いけど……俺は靴を脱がせて踵を見る。すると、やはり僅かではあるが靴擦れをしていた。
「いつから痛かったの?」
「えっと……少し前」
「やっぱりか……」
どうにも、歩き方に違和感があると思ったら。新品の靴だから靴擦れしたんだね。にしても琥珀の足本当に小さくて可愛い……なんて思っても口にはせずに俺は自分の鞄から消毒と絆創膏を取り出す。
「少し染みるけど、我慢出来る?」
「うん……ん!」
シュッとすると、琥珀が声を我慢して結果的に悩ましい声になってしまった。なんか悶々としてけるけど、仕方ない。絆創膏を貼ってから、俺は秘密兵器を出すことにする。
「琥珀、これ履いてみてくれる?」
「うん」
今日は少し短い靴下なので、俺は前々から琥珀に履かせてみたかった黒のニーソックスを履かせる。趣味が入ってることは否定しないさ。だって、琥珀の足でニーソックスって犯罪的な可愛さを感じるしね。
ニーソックスで補強した分、靴擦れの心配は減ったようなので一安心していると、琥珀は少しだけ申し訳なさそうに言った。
「ごめんね、あっくん。いつも迷惑かけて……」
「俺と琥珀は恋人で家族なんだし、そんなこと気にしなくていいよ。それに俺はいつも琥珀に助けて貰ってるから」
「私が?」
何度も何度も後悔する過去の出来事。琥珀を失った後悔は消えることは決してない。でも、こうして今、目の前に俺の大切な琥珀が笑顔でいる。その事実に何度も俺は助けられている。だから、本当にお礼を言うべきなのは俺の方なのだ。
「そういえば、この近くに美味しいケーキを出す喫茶店があるんだって。行ってみる?」
「……うん!」
あと、出来ればこの体勢で動くのは……若干ハーフパンツの隙間から絶対領域が見えたり見えなかったりして、俺のリビドーがリビドーガァァァァァ!!!!!的なおかしなテンションになってしまう。たかが下着されど下着、こないだ裸で抱きつかれたからといっても、琥珀の下着の魅力が減るわけないのだ。
まあ、これが琥珀以外の下着なら意味なんてないけどね。
そんな感じで合法的に俺は足を触れて大満足だった。