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48 鉄壁の守り

┣o(・ω・。)ガード!!

大抵の面白い店は10時くらいにならないとオープンしないというのが、中学時代の経験則だった。とあるカラオケ店は24時間で、朝から入れるので、友人とカラオケに行く時にフルで楽しむのならそこは鉄板だった。


中学の頃なんかは、夕方以降はかなり厳しい制限があったりしてそうなると友人と集まるのはそこそこ早めの時間でオープンまではマックとか24時間営業の大型のスーパーとかで時間を潰すことが多かったように思う。


さて、そんな訳で現在の時刻は9時32分。少し早めに出たのだが、今回はあまり遠出はせずに近くでデートをすることにしたのだ。動物園、水族館、遊園地……とても魅力的だね。でも、琥珀のお小遣いと俺のお小遣いのこともあるから、そこはもう少し後で。


ちなみに、俺の新聞配達のバイト代と過去の貯金を合わせるとそこそこなので、行けないことはないが……まあ、どうせならもう少し貯めておきたいのだ。


実は琥珀もうちの両親からお小遣いを貰っている。金額はそこまで多くないが……まあ、普通の中学生の平均と言えば分かるかな?琥珀は恐縮していたけど、「暁斗のお嫁さんなんだからもう私達の義娘も同然よ〜気にしない気にしない♪」という、母さんの発言で真っ赤になって黙らされた。


うん、母さんよ。確かに間違ってないが……俺のセリフを取らないでおくれ。まあ、母さん的に家族だから気にするなと言いたいのだろう。感動的なのに可愛い琥珀にときめいてしまったぜ。


「しかしあれだね。俺が免許取ったらもう少し色々なところにデート行けそうなのにね」


近場とはいえ、そこそこ田舎なので移動には自転車か電車が効率的……というか、それが一番だと思ってしまう。そんな訳で俺と琥珀は現在電車に乗っております。


「あっくんとならどこでも行きたいなぁ」


……ホテルでも?いやいや、そんな下品なこと言っちゃいかん。しかし琥珀たんは本当に可愛いなぁなんて思っていると、少し混みあってきた。俺と琥珀はご老人の夫婦に席を譲って立っていたのだが……電車といえば注意する必要があることがある。


「琥珀、ちょっとごめんね」

「ふぇ?」


見るからに怪しい中年男性がわざとらしく琥珀の後ろに立ったように見えた(被害妄想かもだけど)。しかも明らかに琥珀に触ろうとしてたように見えたので俺は琥珀を壁際に引き込んでから誰も触れないようにガードする。


痴漢、ダメ絶対。


まあ、杞憂ならそれでいいけど……こういう時の俺の勘は少し宛にしてもいいと思われる。偶然だろうと琥珀に触れる男は許せないという独占欲も勿論あるが。


しかして、その効果か中年男性が舌打ちした。本当に何が楽しくて年下の女の子を痴漢しようとするのか……全く理解出来ない。好きでもない人に触れるなんて苦行でしかないよね?


「あの……あっくん……」


そして、俺はまたしても神様に感謝していた。壁際で琥珀をガードするということは、合法的に琥珀に壁ドゥーン!(エコー)が出来るということ。顔が近いせいか琥珀が顔を赤くしているので俺得すぎてヤバかった。


その後、電車から降りてから琥珀の手を引いてはぐれないようにするけど、手を繋ぐと嬉しそうに微笑む琥珀が可愛すぎた。




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