46 テストの癒し
(* ´ ` *)ᐝ
「テストの方は大丈夫そう?」
「うん、あっくんのお陰で少し自信ある」
えっへんっと、可愛らしく胸を張る琥珀。その成長途中の胸をモメモメしたい気もするが、そこは紳士な暁斗くんで我慢だ。まあ、帰りながらの会話なのだが、やはりテストの後の会話は誰しもこんなものだろう。
「あっくんは大丈夫だったの?」
「まあ、琥珀のお陰でね」
「私の?」
「そう」
琥珀に勉強を教える関係もあってテストに関しては何ら心配してない。前ならそこまで自信満々は無理だったけど、琥珀が絡むと俺は勉強もある程度出来ると証明してみせよう。
「えへへ。あのね、私はいつもあっくんがいるから……だから、大丈夫なんだよ」
「……そっか。なら、明日はデートでもしようか」
「いいの?」
「丁度休みだしね」
ふ、この表面上の落ち着きっぷり……俺もなかなかポーカーフェイスが上手くなったものだ。内心めちゃくちゃ悶えてるのにこうして普通に会話出来るのだから。
まあ、明日は土曜日で、普通に休みだからデートするにはもってこいだろう。本来なら毎週デートしたい気もするが……まあ、それは琥珀も大変だろうし、何よりたまにの楽しみにするからこそ、特別感があるのだ。
それにお家デートというか、同棲に近いから別に焦ることはないしね。空いてる時間はずっと琥珀は俺の部屋にいるからこそ、俺はかなり満足だったりする。まあ、いっその事同じ部屋でもいいんじゃない?的な母さんのアプローチに琥珀があわあわするのはかなり好きだったりするけど。
「あっくん」
「ん?なに?」
「えへへ、あっくん〜」
可愛らしく抱きついてくる琥珀。相当デートという単語が嬉しいのだろう。それにしても……琥珀たんたら、こうして抱きついてくると私の雄が目を覚ましそうなんだけど……本当に天然小悪魔さんだわぁ。
最近の琥珀は俺にこうして甘えてくることが増えてきたので、俺得というか……なんか、琥珀をめちゃくちゃ甘やかしたいという、俺の中の母性的なものが目覚めてるのかもしれない。
でも、時々琥珀が見せる母性もなかなか素晴らしいと思ってしまうものでして、まあ、相思相愛は良きかな良きかな。琥珀がずっと好きでいてくれるカッコイイあっくんでいたいものだ。俺は琥珀がどうなっても絶対に好きだと言える。長年の片想いというのは、やはり強いものでして、まあ、ようするにただただ琥珀のことが誰よりも何よりも大好き。
多分、子供だったこの頃の俺は絶対に言えない台詞。だけど今はそんなくだらないプライドは捨てたので言えるのだろう。そんな訳で……明日はデートです。