44 テストのご褒美
ヽ(・∇・*)
「――という訳で、こうして覚えるのが多分琥珀は1番楽だと思うよ」
中学に入ってから初めてのテストである一学期の中間テスト。そのテスト勉強は俺にはそこまで必要ない。ケアレスミスはもちろんあるだろうけども大方知ってる内容だし、それにこう見えて勉強は嫌いじゃない。
まあ、別段頭は良くないけど、2度目ともなると勉強方法も理解してるからやりやすい。少し狡い気もするけど……それはそれ。
さて、俺はテストに関しては何の不安もないのだが、俺の可愛い恋人である琥珀は少しだけ不安みたいだ。
特に社会の地理などの暗記科目全般が難しいようなので、なんとか琥珀が覚えやすいように効率的に教えていた。まあ、他の科目もほとんど毎日復習、予習してるんだけどね。
「あっくんは教えるの上手だねぇ、先生みたい」
「そう?まあ、可愛い恋人のことだし琥珀に教えるのに関してはあっくん先生は世界一だと思うよ」
「えへへ、あっくん先生〜」
正直こんなに可愛い教え子いたら倫理観無視して襲いかかりそうだけど……でもまあ、仕方ないよね。可愛いは正義!つまり琥珀こそジャスティス(イケボ)。
「まあ、俺は琥珀にしか勉強教える気ないけどね」
「じゃあ、あっくん先生独り占めだぁ」
……おk。夜のレッスンに行こうじゃないか。
危うくベッドに押し倒すところだった……もうさ、言動がいちいち可愛すぎなんだよねぇ。
「中間テスト、大変かもだけど、琥珀は琥珀なりに精一杯頑張ればいいから。頑張ったらご褒美も用意するからね」
ポンポンと優しく頭を撫でると、琥珀は嬉しそうに微笑んでから、聞いてきた。
「ご褒美って何くれるの?」
「そうだなぁ……何が欲しい?」
「あっくんが側にいてくれるのが1番嬉しいかな」
フォォォォ!!!!琥珀たんマジ天使ぃ!
「あ、でもね……もしね、出来るならね……」
「ん?何でも言ってみなよ」
モジモジしていた可愛い琥珀は勇気を出してポツリと言った。
「……お姫様抱っこして欲しい……かな……」
「分かったよ」
「……いいの?」
「俺が琥珀のお願い断ると思った?」
などと紳士な暁斗くんを演じるけど内心は悶えまくっていた。え?お姫様抱っこしていいの?そのままベッドまで連れてって押し倒してしまいそうだけど……いやいや、もうさ、俺ってば琥珀のこと好きすぎてヤバいね。
なんか接する度にどんどん好きになってるよ。でもさ、テストのご褒美が俺得過ぎてマジで最高だよね。琥珀的には純粋なのだろけど、俺はもう琥珀を堂々とお姫様抱っこ出来るなら満点をたたき出す覚悟は出来てるよ(キリッ)。
そんな感じで中間テストが間近に迫る中、今日も琥珀は可愛いのでした。