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33 書道部

掛け持ち(=^ ・ω・)

翌日の放課後。早い者は仮入部に向けてもう準備を進めてる中、俺と琥珀はいくつかの文化系の部活を見て回っていた。吹奏楽、合唱、美術に新聞と色々あるが、中でも合唱部と美術部で琥珀は強い勧誘を受けた。


うん、まあね、琥珀ってば絵がめっちゃ上手くて、歌声もマジもんの天使さんだから当然だけど、本人がそこまで乗り気じゃなかったのでちゃんと俺が断った。勧誘の断り方に関しては教えてあるけど、俺がいる時は俺が守りたいのだ。


「ありがとう、あっくん……」

「いいって。でも、琥珀は本当に歌と絵が上手だよね」

「そんなこと……あっくんもお歌上手だと思う」


謙虚な彼女だこと。ちなみに私め、絵は全く描けないのだ。美術の成績はマジで地を這うレベルなんだけど……琥珀の手前人並みになるように努力はしてる。


歌はまあ……普通かな。音痴じゃないけど、特別得意でもない。でも、最近イケボになるためのレッスンはしてる。声変わりがギリギリの時期だからなんとかしてイケボを手に入れたいところだ。


目標は小山〇也さんレベルのイケボ……は、多分難しいから、それなりにカッコよくなればいいかな。


「あ……あっくん、ここいい?」

「ん?ここは……書道部か」


そんなことを考えてると琥珀が目をつけたのは書道部だった。こちらも人数が少なくて、女子の部員が多いのが分かってホッとすると、琥珀がポツリと言った。


「私、あんまり字が綺麗じゃないから……」

「そう?可愛いと思うけど」


女の子らしい可愛い文字だと思うと告げると琥珀は少しだけモジモジして言った。


「だって……あっくんと結婚した時に婚姻届の文字が汚いのは嫌だし……」


……押し倒さなかったことを褒めて欲しい。え?琥珀たんもそこまで将来を見てくれていたの?俺は既に子供の名前の候補を考えて老後のプランまで練ってるなんて言えなかったけど、これだけは言える。か・わ・い・す・ぎ・か!


「うぅ、でも料理部も捨て難いし……」

「なら、掛け持ちしてもいいんじゃない?幸い活動日は被ってないし、琥珀がしたいならやるのもいいと思う」

「……いいの?」

「当たり前だよ」


掛け持ちする生徒は滅多に居ないけど……掛け持ち自体は禁止ではないし、やる気があるならやらせてあげたい。活動日も両方とも被ってないし、それにどっちの部活も部の雰囲気も悪くなく、尚且つ琥珀に悪い虫が付きそうにないので最適ではある。


「ありがとう、あっくん」


うんうん、その輝く笑顔だけで俺はもう満足だよ。そんな感じで琥珀の部活は決まったのだった。そう、琥珀の部活は……ね。





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