156 夜の逢瀬
男子の時間に手早くお風呂を済ませると、就寝時間となり、テントには自業自得な様子で物言わぬ姿となった川藤と、物静かなもう一人の班員だけになる。
琥珀が居なくて、凄く寂しいし、眠れそうにないこの空間で体を休めようとしていると、ふと俺の中の第六感が今すぐテントを出ろと告げていた。
その導きに従ってテントを出てから、見回りの先生をやり過ごすと、少し見晴らしの良い場所に琥珀が居た。
月明かりに照らされて、まるで女神様のようなそんな美しいその子は、まさしく俺の好きな、求めてやまない琥珀だったが、その美しさに数秒思わず見蕩れてしまう。
「琥珀」
そう呼びかけると、琥珀が振り返って、驚いたような表情を浮かべてから、嬉しそうに微笑む。
「あっくん、こんばんわ」
「うん。こんばんは。でも、夜遅くに一人は危ないよ」
「ごめんなさい……えっとね、あっくんが居なくて、少し寂しくて寝れなかったんだけど、何となくここに居たらあっくんに会える気がして……ダメだった?」
そんな事を上目遣いで言われちゃうと、怒ることなどできる訳もなく。
でも、夜遅くに一人は危ないのでもっと琥珀を愛でるために傍にいようと誓ってから俺は近くの手頃な影になっている岩場に座って琥珀を手招きする。
「琥珀、こっちに」
「……!うん!」
嬉しそうに近寄ってきた琥珀は、ゆっくりと腰を下ろした。
……俺の膝の上に。
「えへへ……久しぶりのあっくんだぁ」
嬉しそうに抱きついてくる琥珀だけど……俺はこの体勢と琥珀の甘い香りで実に内心が荒ぶっていた。
ふぉー!!!琥珀さんってば、可愛すぎかよ!
何なの、なんで琥珀ってば知れば知るほど愛しさの塊になってくのー!もう、可愛すぎて今すぐお持ち帰りしてゆっくり堪能したくなるよ!
まあ、無論、そんな事をして琥珀の林間学校を無理やり終わらせるような真似は出来ないので、自重はするけど、琥珀さんってば可愛すぎでは?
そして、軽すぎる琥珀が本当に羽のような軽さなので、もう少し色々食べさせていところ。少しむっちりした琥珀もそれはそれで可愛いとは思うけど……まあ、その前に俺が琥珀に胃袋を掴まれているので、作る側ではなく作られる側になってるのは否定できない。
最近は、祖母ともやり取りするようになってますまく料理の腕を上げている琥珀は、更に嫁力を日に日に高めており、早いとこ成人して琥珀を娶りたいところ。
そのための基礎をもっとガッチリ固めたいけど……結婚式は是非とも豪華にしてみせる!
まあ、琥珀の希望的に身内のみの静かな式にもなりそうだけど、それならそれで最高のものにしてみせる!
ああ、それにしても琥珀は本当に柔らかくて気持ちいいなぁ。




