132 時には我儘も
クゥーッ!!”(*>∀<)o(水)
琥珀と祖母の作った夕飯を食べると、琥珀はまた女子会に招待されたそうだ。まあ、昨日の件もあるし、今夜は返してくれるそうだけど、それまでは自室でゆっくりするとしよう。
コンコン。
そんなことを思いながら、参考書を流し読みしていると、ノックが聞こえてきた。こんな時間に誰だろうかと、思って返事をすると、入ってきたのは、多恵叔母さん。
思わず返事をしたことを後悔したが、追い返す訳にもいかず、しかしその手に持ってるお酒で嫌な予感がしながら俺は聞いた。
「こんな時間にどうしたの?」
「お母さんが、昨日暁斗くんと飲んだって自慢してたから、私も付き合って欲しいんだ」
「飲んだって言っても、俺はジュースだけどね」
「そう言うと思って、ちゃんと持ってきたよー」
うん、それはいいけど、ジュースと一緒に持ってきたテキーラっぽいのはそのまま飲むの?水とか氷無しで飲むの?絶対、店でお酒買おうとしても年齢確認で引っかかりそうなほどの童顔のこの人が度数高めのお酒持ってるのは中々シュールだ。
仕方ないので、中に入れてから、ジュースを受け取ってちびちび飲むと、多恵叔母さんは結構なハイペースで中身を減らしていく。
祖母といい、ウチは女性の方が酒豪なのかもしれないと思っていると、多恵叔母さんはいつもと変わらない笑みを浮かべて言った。
「琥珀ちゃんは、女子会?」
「まあね、寝る前には戻ってくると思うよ」
「おー、意外と余裕だね。琥珀ちゃん居なくて寂しいのかと思ってたよ」
「まあね。その分帰ってきたら甘えるから大丈夫」
「んー、暁斗くんって、琥珀ちゃんに甘えてるの?」
「そりゃ、恋人だもの」
そうは言っても、琥珀の場合は本当に俺が辛い時に支えてくれるから、普段は俺の方がベタ惚れで甘やかしてる方が多いのかもしれないけど。
「そっかー。でも、暁斗くんも、たまには我儘とか言ってもいいと思うよー。恋人なんだしね〜」
「……考えとくよ」
俺の場合、琥珀にずっと居てほしいっていう大きな我儘が常にあるから、あんまり細かいことは言いづらいのかもしれない。そんな俺の様子を察したようにこんなことを言うのだから、この人はやっぱり祖母の血を色濃く受け継いでいるのだろうとしみじみ思う。
「うんうん、若いんだから、もっと自由でいいんだよ〜」
……にしても、水でも飲んでるようにテキーラをスルスル飲んでるのはちょっと凄すぎる。全く酔った様子もないし、昴叔父さん一緒に飲むと大変そうだなぁーなんて、他人事のように思うのだった。




