115 スイカ
スイカァー(「・ω・)「
「わぁ……!あっくんあっくん、凄いね!」
畑を見て嬉しそうにはしゃぐ琥珀。まあ、色々育ててるしね。
きゅうり、ナス、トマト、トウモロコシ、スイカ、メロン、桃……野菜に果物と充実してるしね。
「おーい!暁斗!琥珀ちゃん!こっちじゃ!」
こき使われてる哀れな父さん達をスルーして川の近くで手を振る祖父。涼し気な川では、果物と野菜が冷やされており、なんとも清涼感のある光景だ。
「美味しそう……」
「朝から冷やして置いたんじゃよ。スイカ食べるか?」
「えっと、いいんですか?」
「もちろんじゃ」
予め持ってきていた包丁で器用にスイカを分けて琥珀と俺に渡してくる祖父。琥珀は遠慮していたが、美味しそうなスイカに我慢できなくなったのか丁寧にお礼を言ってから一口食べる。
「わぁ……!あまーい!」
「ほれ、塩もあるぞ」
「貰うよ。琥珀はどうする?」
「じゃあ、少し……」
スイカに塩を少量振りかける。甘みが引き立つので俺は結構好きだが、琥珀も気に入ったようで美味しそうに食べていた。まあ、琥珀の環境的に下手したら初めてかもしれないな。スイカ自体を食べるのは。
「あっくん、種はどうすればいいの?」
「種は食べるとお腹から芽が出て、やがてそこからスイカが……!」
「ふぇ!?」
「琥珀、お祖父ちゃんの嘘だから」
そんな化け物じみた寄生能力あったら、スイカの食べ方も随分と変わっていのかもしれないな。というか、騙される琥珀の純粋さを見てますます愛でたくなる。
「お祖父ちゃん、琥珀は素直だからあんまり嘘ついちゃダメだよ」
「むぅ……すまんの」
「でも、確かに今年のスイカは美味しいね。流石お祖父ちゃんだよ」
「そ、そうかの?」
ちょろいな。祖母が普段から扱い慣れてるのもわかる気がする。まあ、それは孫である俺だからだろうけど。というか、祖母と孫と娘だったらこれくらいのちょろさなのだろうな。
「琥珀、種は食べてから吐き出してもいいけど、簡単に取り除いてから食べても構わないよ」
「うん、分かった」
そう言って琥珀はちまちまと、種を取り除いていく。その姿が可愛くて仕方ないが、俺の前で種を飛ばすのが恥ずかしいのだろうと分かってるので微笑ましく見守る。琥珀の場合食べ方が小動物的な、ハムスターみたいで微笑ましいので、いつまでも見れるが、本人は真剣に種を取っているので気づいていない。
そんな琥珀の姿を見ながら、スイカを食べて、見えないように種を飛ばしておく。健全な男の子のなら、タネマシンガン!とか言って遊びそうだけど、琥珀の前でそんなことはしないので、当然と言えた。
にしても、琥珀たんってば、スイカ食べるだけでどれだけ俺の心を揺さぶるの?小悪魔だね。




