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  作者: 月湖 冬晴
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宿怨/祝宴

宿怨/祝宴


目の中に光る 凍り付いた時間

楽しげに笑う君の顔は 捨て去った希望の大きさを言い表している

まるで不幸が無ければ生きていけないかのように

敵の痛みを想像して 嬉しそうに爪を噛む


何があったのか知らない 何を感じたのか分からない

ただ壊すだけの夢を見続けて 君に何が残るのだろう

真空を真っすぐ飛び交う光の粒のように

暗闇を彷徨い続ける君がいつか熱になって命を生きられるように 願ってる


見ている僕は何をすればいい

君が落ちた薄氷の割れ目は僕の足元にも届いているのに

どうしてもやるべき事が分からないんだ

冷たい水の中で必死にもがく君の上で

僕は冷たい空気に成す術もなくただ震えている

教えてくれ 誰も答えを知らない禍に立ち向かう方法を


這いあがって来た ずぶ濡れの服を

大事そうに纏う君の肌は 震えて体温を取り戻そうと頑張っている

まるで不幸を認めれば生きていけないかのように

自分の痛みを無視して 誇らしげに口を歪める


一部始終を見ていた 果てしない否定の連鎖は続く

崩し尽くされた壁は今や 君の憎しみを受け止めない

太陽を真っすぐ貫いた光の粒のように

灼熱さえ阻めない君が発する熱はきっと形を変えて新しい 道を拓く


見ていた僕は何をすればいい

君が割った氷山の残骸が次々と白日に晒されていく

どうしたらやるべき事が見つけられるんだ

冷たい水の中に飛び込んで同じ景色を見たい

僕を阻んで狂戦士は言葉も無くただ首を振った

教えてくれ 誰も見た事のない禍の色を勇気を方法を


気が狂うような 絶対零度の世界

想像の付かない 絶対零度の世界

分かったような顔をした常識に突きつける氷の刃を

無から生み出した熱の無い希望でもっともらしい狂気をいっそ

見過ごされた絶望を絶望だと言い切って 自由を自由に扱う強さを 絶望に恐怖しない自由が 欲しい


見ていた僕は何をすればいい

君が落ちた薄氷の割れ目は僕の足元にも届いているのに

どうしたらやるべき事が見つけられるんだ

冷たい水の中で必死にもがく君の上に

降り注ぐべき青空の熱が薄氷を溶かし続ける

教えてくれ 自由になった君と友達になる方法を

教えてくれ 君が最初に見つける幸せな未来を

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