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たんぽぽ  作者: しゃわ
8/11

8、決心

 唐突に出てきたゆいの言葉は、僕の心に疑問符を投げかける。

「行けないって……なんで?」

「それは………」

またゆいは黙り込む。

それから10分が経っただろうか、ゆいがまた口を開く。

「旅行代払えないんだよね…。今ちょっと家のお金が無くて…。ごめんね」

話を詳しく聞くと、ゆいの姉ちゃんが有名な私立大学へ入学するため、入学金と授業料がかなりかかるということだった。

「そっか…。しょうがないな…。なんか気を悪くさせてごめんな。」

「こっちこそ気を悪くしてごめん!図々しいけど、お土産期待してるから!」

ゆいは明らかに無理して笑っていた。

そんなの分かっていた。

それから家に帰ってすぐに寝てしまった。

起きていたくなかった。

なんかずっと寝ていたかった。

それほどショックだった。


 ゆいの無理した笑い顔が忘れられず、思うように眠れなかった。

顔を洗い、頭を洗い、コーヒーを飲みながら、僕は1つの決心をする。


 土曜の朝、僕は面接を受けていた。

「なんのために働くのですか?」

“ゆいのため”って言いたかったけど、

「自分を少しでも成長したいからです。」

って言っておいた。

このコンビニのバイトで少しでもゆいを楽してあげたかった。

時給700円、土日の10:00〜18:00という条件で無事に面接に合格。

これからが勝負だ。

バイトと学業の両立ならともかく、オレの場合は、バイトと学業と部活の三立をしなきゃいけない。

無理だと思うだろ?

オレも思ったけど、どのくらいゆいのために出来るか、自分に試してみたかったんだ。

部活にも手を抜きたくないし、勉強も皆についていきたいし。

一番は、ゆいと一緒に修学旅行行きたい。

そのためのバイトなら、どうなったって続けていけると思ったのさ。


 バイト先で優しい先輩に出会って、仲良くしてもらった。

不安だったバイトも少しずつ慣れていった。

部活にも土日以外は毎日参加した。

学校の成績はどんどん下がっていったけど、ゆいへの思いはどんどん増していった。

今の自分にとって、ゆいの為に働くという事が幸せだった。

ゆいの喜ぶ顔を想像しながら…。

修学旅行の日まであと2カ月と迫っていた。

お手数ですが、宜しければ感想などを書いてもらえるとありがたいです(^O^)

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