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たんぽぽ  作者: しゃわ
5/11

5、騙し

 気付いたらいつもより30分も早く学校に来てしまった。ある程度は緊張してるんだろう。いや、ある程度どころじゃない。結局あれから緊張して眠れなかったんだ。


 もはや思い出となった下駄箱のロッカーを開けるとまた手紙。開けてみると、

「昼休みね(^o^)/」

と書いてあった。これはゆいの手紙だなって思ったけど、場所が書いてない。つまりオレは昼休みどうするコトも出来ない。ゆいってやつは、肝心なトコを忘れるおっちょこちょいなんだなって思って笑った。


 「しゅう君居ますか〜!?」

いきなり教室に響き渡った女子の声。ドアからこっちを見ている。その女子は僕の手をいきなり引いて、教室から連れ出した。同じクラスの男子も女子も全員僕を見ていた。初めての優越感と恥ずかしさが僕の顔を赤らめていた。


 「いきなりなんだよ?恥ずかしいだろ。」

ちょっとカッコつけて言う。今くらいいいだろ。ずっとカッコつけて無かったんだし。

「ゆいって読んでね!いきなりで驚いたと思うけど…。あの…返事聞かせてもらっていい?ずっとドキドキして待ってたの。」

僕は言葉を返す。

「何でオレがいいって思ったの?」

ゆいも言葉を返す。

「しゅう君の驚く顔が好きだから!」

「驚く顔!?なんだそれ?」

「いきなりだけど、しゅう君の自転車のカゴにさおりって人がチョコ入れたでしょ?それあたしが驚かせるために入れたの。その後こっそりついていったら、公園で他人のチョコ食べちゃうんだもんね〜。さおりなんて人知らないし。」

ゆいは得意気に笑いながら言う。僕は全て見られていた感じで恥ずかしかった。

「あういう時の顔が大好きなの!」

どんな顔だよって心でツッコむ。

「ねぇ、ねぇ結果は?じらしすぎ!」

「こんなオレで良ければ全然。」

またカッコつけた。

「ありがと!しゅうって呼んでいい?それとも図々しいかな…?」

「あぁ全然いいよ。」

気がつけば素直に言ってた。カッコつけるのは自分に合わないらしい。

ゆいは言う。

「今日から一緒に帰ろうね。毎日だからね。」

「おう。放課後な。」

照れながらその場を後にした。


 後の授業は頭に入らない。自分が今付き合ってるなんて信じられなかった。

とにかく初めてづくしで胸がいっぱいだった。

今思えば昼休みも驚かされてたなぁ。こんな風にゆいのコトばかり考えていた。

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