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最初はいつものおかえり

 女の勘というのは存在します。


 その理由は男性と女性では脳の機能や構造に違いがあるからだと考えられています。

 ここで皆様に、とあるテレビ番組で紹介されていた事例の一つを紹介します。


 秋田県の産婦人科病院に勤務する看護士である安田絵里さんは、結婚して岡絵里さんになりました。

 そんな彼女は、ある患者さんの早産出産の対応をしました。産まれた子供はやはり未熟児。しかし、未熟児の対応を数多く経験してきたこの病院では、比較的元気なお子さんであり、保育器内で栄養を与える処置をすれば命の危険はないと判断されました。

 実際、保育器の中で元気に体を動かす乳児には全く異常は見られず、複数の医師や看護士が確認しても同じような判断でした。

 しかしそんな中、おかえりさんだけは保育器内の乳児を見て、なぜか得体の知れない不安に苛まれ、気掛かりでたまらなかったそうです。そして、乳児を見つめているとその気持ちは言い知れぬ不安感にまで高まり、遂にただいま……ではなく、おかえりさんは医師に相談。なんと、この乳児に抗生物質の投与という具体的な処置を懇願しました。

 もちろん、なんの異常もない乳児に抗生物質を投与などという事は、重大な医療ミスになるため許されない事です。

 けれども、おかえりさんの訴えにただならぬ物を感じた医師は他の医師にも相談。そして乳児の身体に影響が出ない範囲で微量の抗生物質の投与に踏み切り、細菌も含む精密検査の対応を行いました。

 そして数日後――

 精密検査の結果はなんと、何万人に一人しか発病しない腸内感染という病気にかかっている事がわかりました。この病気は最悪、乳児の命に関わる危険なものでした。

 無論、事前に抗生物質の投与を行っていたため、乳児の病気はすでに快方に向かっていました。

 おかえりさん本人はというと――

「ただ、なんとなくそんな感じがした……理由はわからないが、言い知れぬ不安が沸き起こった」

 そんな話をしていたそうです。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆


 今回の依頼人は私共の探偵事務所では珍しく女性です。依頼人というのは経済力のある男性がほとんどであります。探偵事務所への依頼は、決して安いものではありませんから。

 余談は置いといて、浮気というのは複数の予兆があります。例えば男性であれば急に帰りが遅くなり出張が増えた、女性であれば服の趣味が変わったりスマホを手元から離さなくなった、などです。

 しかし、今回の依頼人は……

「まずは浮気の疑いがある行動を教えて下さい」

「えっと……ただなんとなくなんです……しいて言えばスマホを枕元に置いて寝る日が増えた……くらいなんですが……」

 なるほど。

 つまり女の勘というやつですね。

 理解は出来ます。私も同じ女ですから。他の女性より声が高いアニメ声ですけど。

 とりあえずもう少し詳しくお話しをお伺いしましょう。


 


 

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