二話
同期の男は、女性が起きる前に
何も言わずに帰っていった。
次の日は何食わぬ顔で出勤し、女性に挨拶をした。
「おはよう。昨日は大丈夫だった?」
女性は夢なのか現実だったかが
はっきりしなかった為
「昨日は送ってくれたんだよね?
わたしに何かした?
あんなに酔ったのは
久しぶりだったから記憶が曖昧で」
同期の男は耳元まで近付き
「抱き付かれて
抱いてって言われたよ。」
と嘘を交えながら応えた。
女性の顔は一気に青褪め
「本当に?
それであなたはどうしたの…?」
と小さく震える声で伝えた。
「抱いたよ。
俺はお前に気があるんだ。
断るわけないだろ!」
はっきりとそう告げた。
女性は一気に罪悪感襲われた。
「すごく求めてきたぜ!
彼氏の名前を呼びながら!
今までと全然違うって!」
女性は絶望した。
なんて事をしてしまったんだろうと。
しかし自分から誘ってしまったようなので
同期の男を責めづらい。
そこが同期の男の狙いだった。
「やっとチャンスが来たんだ。
焦らずゆっくり落としていこう。」
と思っていたのだ。
女性から誘っている為
こちらに非がない事をアピールし、
「また必要になったらいつでも誘って!」
と耳元で囁いた。
女性も昨日の快楽を覚えているのか
顔を赤らめて俯いた。
それから同期の男は
徐々にアプローチを仕掛けていった。
女性のタイミングに合わせて
言葉巧みに話しその気にさせていった。
何度目かのタイミングで女性が
「もう一度だけなら。」
と思ってしまった。
その後は早かった。
定期的に身体を重ねていった。
同期の彼も女性を本気で好きになっていた。
そして遂に
女性の彼氏に見られて別れたと言う話しを聞けた。
本気で好きになっていた同期の男はそこからも
アプローチをし続け
ようやく付き合う事が出来た。
なんとも言えない達成感が
そこにはあった。