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第1話 プロローグ
昔、昔、日の本は西国に、おさんと呼ばれる小さくて可愛いメスの子狐が産まれたそうな。
その子狐は大変に活発。好奇心旺盛な子でね。ある時……と、言うか?
いつも通りの一人遊び。玉をとってはじゃれ合い遊んでいたのだが。ある時?
そう、子狐おさんが、いつものように遊んでいると。自身の頭の上に、青色した玉が空中──。子狐おさんの、頭上を浮遊しているのを発見──!
まあ、発見と大袈裟に述べても。只おさんが頭上を見上げれば、その青い色をした玉は、自然と彼女の金色した瞳に映るからね。好奇心旺盛なおさんはね。その青い色をした玉へとジャンプ──。
そのまま、自身の口に加えてパクと、間違えて飲み込んでしまったのだ。
青い色をした玉……。
そう、鬼火と言う奴をね。間違えて食べてしまったのだ。
だから彼女は、古から伝わる伝説……。西の大妖怪。妖狐、おさん狐へと変貌し伝説となったのだ。
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