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舞踏会~ジャックと一緒に~

 もしかして皆…帰っちゃった!?

 どこにもいないなんて絶対おかしい!


 アイルお嬢様と別れたあとに同行者達を探しているけれど何故かどこにも見当たらない

 …帰ろうかな


 そう思い庭園への扉の方にふと目をやると


「ジャック…?」


 人に囲まれていそうなジャックが私よりも先に庭園への扉を開け、外に出て行ったのが見えた

 やっぱり帰る気だったのかい!




「よいしょっと…」


 ジャックを追うように私も重い扉を開けて庭園に入った

 すると目の前には…


「すごく綺麗…」


 語彙力が低下してしまうほど美しい、夢なのではと疑うほど綺麗な光景が広がっていた


「そうだろう?」


 背後からジャックの声がしたので振り返った

 どうやら私が開けた扉によって私の視界に入らなくなったみたいだ


「これ、ジャックが?」


 そうだろう。と言うくらいだから全部とは言わなくても少しは協力したんだろう。 だとしてもこの庭園に咲く草花の手入れをしたのは凄い


「花とか木は全部、お兄さんがやったよ。庭師だからね」


 庭師スゲー!え、カッコイイな!

 デートのサプライズとかでこういうのやられたら惚れるしかないやつじゃん!


「だから出張が多かったんだね」


 今日までにジャックは約1週間くらいずっと出張をしていたけれど、この庭園で仕事をしていたのかと知った


「そうだよ。 でも秘密にしておくのが1番大変だったかな」


 彼はやり切った。と言いたげな目で庭園を見つめていた

 …彼を労わなければいけない気がした


「凄いね… お疲れ様でした。 明日からゆっくり休んで下さい」


 ジャックの着ているスーツの袖の端をを少し引っ張って、彼の目線を私に向けさせてからそう言った


「嬉しい事を言ってくれるねお嬢ちゃん。 でもそれだと今晩は休んじゃいけないみたいだね」


 …しまった!

 そうだよね、今晩から…って言わなきゃだよね!


「あ、うんっ! そう! 今晩から!」


 なんてこったい! 確かにこれじゃブラック企業みたいだよね!?


「あはは! 面白いねお嬢ちゃん!」


 ジャックは私の発言にお腹を抱え、背中をのけ反りながら大きく笑い始めた

 ここまでジャックが本気で笑っている所は初めて見た




「ふぅ… 久々にこんなにわらったよ。 ありがとうね」


 ジャックの笑いが止むと彼は目元の涙を左手で拭いながら私の頭を撫でた

 髪崩れちゃうなぁ…


「笑ってくれたなら良かったよ。 本当にお疲れ様」


 髪がボサボサになってきているのが見えないけれど、何となく分かる

 でも彼が楽しそうに撫でているので止めようとは思わなかった


「うん。 ありがとう」


 …なんか遠距離だった彼氏が久しぶりに帰ってきたっていう感じのシーンを思い出した


「さて、最後にひと仕事しますかねぇ…」


 ジャックは頭を撫でるのを突然止め、自身の目線を私の目線が直線で合うように少し前に屈んだ


「な、何をするの?」


 このままダンスホールで誘われた女性達のところへ行き、踊ってくると言われるのだろうか…

 それとも帰ると言われるのだろうか…


「うん? お嬢ちゃん、分かってるのにその質問はズルいよ?」


 ジャックはやれやれといった表情を浮かべた

 …全然分かりません。 前者ですか?後者ですか?


「帰るの?」


 帰って欲しくないなぁ…

 でも彼が帰ると言ったら私は止めることは出来ない。 いや、止めてはいけない


「プッ! そんな事しないよ!」


 今笑ったなこの人? いや、割と本気で聞いたんだけど…


「じゃあ、ダンスホールに行ってさっき誘われてた人達と踊りに行こうとしてた?」


 …それもそれで嫌だ

 駄々を捏ねているようだけど、帰られるよりはもっと嫌だった


「うーん… ちょっと惜しいかな」


 じゃあ意中に決めている人をあの中で見つけちゃったのか…


「鈍感って怖いねぇ…」


 …!?

 ジャックは短めのため息をつくと私を思い切り引き寄せ、抱きしめた


「鈍感なのはどっちがですか?」


 何故か反射的にジャックから離れようと彼の胸の中で暴れる

 しかしビクともしない! 元ヤクザ侮れん!


「お嬢ちゃんだよ。 お兄さん、こういう事言うの慣れてないからさ…」


 ジャックは暴れ続ける私の肩を両手で優しく掴み、そっと離して私と目線を合わせた


「踊ろう、お嬢ちゃん」


 ジャックの綺麗な顔が近くて、思わず目線を外していまう

 ちゃんと答えなきゃいけないのに…


「わ、私でいいの?」


 自分の顔がだんだん熱くなっていくのが分かる


「ふふ。 お嬢ちゃんが良いんだよ」


 ジャックは微笑んでそう言うと、肩から手を離して今度は私の手を握った


「ジャック? ホールとは逆方向だよ?」


 ジャックは何故か庭園の真ん中へと私を連れて歩き始めた

 …光ってる花とか咲いてない?


「うん。 ここの方が人も少ないし、ロマンチックだからね」


 なんなんですかこの人…!

 さっき慣れてないとか言ってたよね!?


「緊張しないでいいからね。 倒れそうになったらお兄さんに任せなさい」


 なるほど、無意識に異性を落としてるタイプですねあなた!


 月の光と花が発している光に照らされ、私とジャックは静かに踊り始めた

 何度も転びそうになったけれど、ジャックが上手く立ち回ってくれたので1度も転ぶことは無かった


 …この庭師、やっぱり中身までイケメンだった!

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