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主人公のお嬢様③

「カナデお嬢様、ようこそいらっしゃいました」


 舞踏会当日、私達がデスティネ公爵邸に到着すると多くの使用人らしき人たちに迎えられた

 …アイルお嬢様は見当たらなかった


「お招き頂き心から感謝しております」


 ある程度の社交辞令を済ませて私達は屋敷の中に入る

 中は私達の屋敷以上の大きさで、シャンデリアやアンティーク調の柱時計。 廊下にはレッドカーペッが敷かれていたりと豪華な内装だった


「これ高そうだな…」


 ベルンは家具やら装飾を興味津々といった様子で見つめている。 当然だ、アンティーク調の家具なんて屋敷には1つもない


「触るなよ?狼くん。壊したら弁償させられちゃうかもしれないよ? お兄さんでも払えるか分からないね…」


 弁償… 100万ゴールドくらいは余裕で越えそう

 物によっては億とか行きそうだし、近寄らないでおこう

 …こわしたらジャック払ってくれるの!?


「ガキ、欲しかったら言えよ? お嫁さんの為に俺様が取ってきてやるよ」


 …慎平め、取った後に捕まってしまえ

 ホントに嫁だなんだのってうるさいんだから!


「お姉さんなら作ってあげられるけど… どう?」


 要らないから!

 どうして紅さんから見た私はそんなに家具欲しい人みたいになってるの!?


「こ、こういうのって、たっ倒れてきたりしない… ですよね…?」


 うん。マティスさんはなんの心配?

 倒れてくるわけないじゃん! 固定してあるって!


「すごく綺麗! キラキラしてる!」


 ごめんねリーフ、こういう豪華な物が屋敷に無くて…!


「大切なのは外見でも家具でもなく家主です。 内装などただの飾りに過ぎませんよ」


 ダンテ言っちゃったな!

 内装に気を配ってる人に刺されるぞ!?


「そうですね。 私達のお屋敷は自然を重視した作りなので、こういうのは似合わないと思いますよ」


 めちゃくちゃ良いこと言うじゃんハータム!

 そうだよ! 私達の屋敷は森に面してる所にあるから金とか銀は似合わないんだよ!


「お兄さんにはちょっとキツイな… 自然に囲まれてる方が好きだなぁ」


 さすがジャック! さすが元ヤクザの総長だけど庭師!


「お嬢様らしさを大事になさって下さい。 周りは関係ございませんよ」


 カノン… イケメンかよ!

 いつからそんなキャラになったんだよ! 調子狂うからデリカシーの無い事言ってよ!


「お嬢様、具合が悪くなった際には言ってください。 私が介護致します」


 おお… そこからあんな事やこんな事をするつもりだろお前は!

 通常運転すぎて怖いぞダンテ!


「今晩は水をたくさん吸収してきたので大丈夫そうです。 万が一私が見つからなければ床を探して下さい」


 お願いだからこんな所で干からびないでねマンドラゴラ…!




 なんだこりゃ…


 屋敷のダンスホールに全員で行くとあっという間に囲まれてしまった…

 しかも会ったことも無い人ばかりだ…


「えっ、いや… あの、踊りは苦手で…」


 今日は頑張って右腕にしか包帯を巻いていないマティスさんは育ちの良さそうな女性達に言い寄られている


「着いたばかりなので、後でもよろしいでしょうか。 レディ?」


 さすがジャックのアニキ、女性のあしらい方が素晴らしい!

 あとオールバック似合ってるぞ!


「あ? 踊り? 踊れねぇから教えてくれっか?」


 慎平… もしかして無意識に異性を落としてるタイプ?

 今日は角を消してもらったけど、角が無くなると少し丸くなるのか…?


「えっと、とりあえずお腹空いたから食事から… の方が嬉しいです」


 ベルンも通常運転かい!

 やっぱり完全に人間の姿だと狼男って分からないな…


「申し訳ございません。 これほど人が多い場所で主から離れる訳にはいきませんので」


 紅さん素晴らしい…!

 そして大人! これぞ大人の女性!


「えっ、えっと… カナデ助けて!」


 リーフが私に半泣きで抱きついた

 ロリコンの男の人達に近寄られたようだ。 なんで奴らだ!


「はぁ… お断りします」


 マンドラゴラはバッサリと男性達の誘いを断った。 振られた皆様泣かないで下さい、通常運転です


「私とダンスを…? ええ、構いませんがまずは食事をとりませんか?」


 カノンは… あしらい方がよくわからん!

 彼女が食事の話をするのは珍しい。 多分何かする気だろう


 そういえばダンテは?

 ダン…


 遠く離れたところで囲まれている。 いや、言い寄られている


 た…す…け…て…

 ダンテは腕を高く上げ、手を動かして私達に助けを求めている。 しかし彼の表情は引つる事無く笑顔のままだ


「なんだ。 ただのプロじゃん」


 私はそう呟いて依然囲まれたままの同行者達からこっそり離れた




「あっ! カナデちゃん!」


 人があまりいなかったダンスホールの隅の方に避難していたらアイルお嬢様が私を呼ぶ声と共に現れた


「来てくれたのね! よかった!」


 よかった。とは言っているが本当にそう思っているんだろうか、目線が私から少しズレている気がする


「うん。来てって言っていたから」


 私を馬鹿にした貴方にやり返す為に来た。 とは言わなかった


「そうだ。あのね!この方が…」


 突然アイルお嬢様は5人の王子の紹介を始めた

 …パッとしない人ばかりだ。 やはり私を馬鹿にしているんだろう


「ありがとう。 でも今日はもう一緒に踊る人を決めてしまっているの」


 嘘だ。決まってない。 でも同行してくれた異種族の仲間達の誰かとだろう


「そう、 残念だわ。 どなたと踊るの?」


 顔で判断しようとしているんだろうか…

 誰と踊ろうと関係無いでしょ!


「ちょっと今女性陣に囲まれてしまっていて…」


 女性陣に囲まれている。つまり顔が良いという事だ

 これで黙ってくれればいいが…


「あらそう。 囲まれるなんて素晴らしいお方ね… じゃあそろそろ失礼するわね」


 アイルお嬢様は気に食わない様子で王子達を引き連れ、去っていった

 …ざまぁ


 さて、踊る人がいると言ってしまったからには相手を見つけないと。

 皆どこにいるんだろう…

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