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男勝りなドラゴン娘③

「カナデさん、多分見つけた…よ?」


 空からアッシュを捜索してもらった涼佳さんが人間の姿で帰ってきた

 あやふやな言い方だな…


「どこら辺にいましたか?」


 先程ドラゴン族が危険種に制定された話を聞いたので、私達はかなり焦っていた

 アッシュを政府に渡したくない…


「街の中心にある広場… だと思うけど」


 …?


「空から見ていたら、パフォーマンスかな… 炎が人間には不可能な造形で吹かれていてね…」


 人間には不可能… か、ならアッシュの可能性もあるかもしれない


「じゃあそこに行きましょう! 涼佳さん、案内頼めますか?」


 涼佳さんは柔らかな笑顔を浮かべ、私の右手を握り歩き始めた

 え、リーフは?


「リーフ、無理そうだったら言ってね?」


 私の後ろにいる、まだ酔い気味のリーフにそう言い左手で彼女の左手を繋いだ


「うん。 もう大丈夫だよ!」


 リーフも眩しいくらいの笑顔で歩き始めた




「ここだよ。 あのピエロの人なら分かるかな?」


 街の広場はパフォーマンスが終わったからなのか、あまり人がいなかった

 白塗りのピエロの人がやけに目立つ…


「すみません。先程火を吐いていたのは貴方ですか? 空に向かってやっていた物を見たんです」


 涼佳さんが少し屈んで聞いている…

 下から覗き込めば涼佳さんの隠している片目が見れるか!?


「ああ、そうでしたか! どうでした?」


 ピエロの人が大きな声で反応したので涼佳さんは驚き、半歩下がってしまった

 …くそっ、片目! オッドアイ希望!


「とても綺麗だと思いました。 もしかして貴方が? あれは相当練習しないと不可能ですよね」


 誘導尋問みたいだな…


「いいえ、あれは1人の女性がやって見せたんですよ! ついつい私も演技を忘れてスカウトしに行ってしまって…」


 女性か、ならアッシュの可能性が上がった…

 ん? スカウト?


「そうなんですか。 で、その女性はスカウトに何と答えたんです?」


 この人はアッシュがドラゴン族っていう事を分かって言ったのだろうか…


「今日中に返事をするから待っていて欲しい…と」


 …私達に相談しようとしていたのかな?


「なるほど、ありがとうございました」


 とりあえずここで待っていればアッシュは来るはずだよね…

 リーフの為に水か何か買ってこよう…




「どこにいるんだアイツら…」


 アッシュはカナデとリーフを探して街を歩き回っていた

 行くあても無いからな…


「そこの青年、ちょっと見ていかないかい?」


 近くの屋台のおばさんに声をかけられた

 …俺だよな?


「なんすか?」


 呼びかけられたおばさんの屋台は果実のかぐわしい香りを出していた


「これ、彼女さんにどうだい? 青年はモテそうなルックスしているからね」


 赤く光る石と黄色く光る石が交互に並んでいるブレスレットと並びが逆のブレスレット…

 ペアブレスレットだろうか


「いくら?」


 値段によっちゃ買ってやらんことも無い

 1万ゴールド以上なら踵を返して帰ってやる


「2000ゴールドだよ、お買い得だろう? 今なら今朝作ったフルーツミックスも付いてくるよ!」


 見た目も悪くないし、1個で1000ゴールドならかなり安いんじゃないか?


「はい、2000ゴールド」


 俺はおばさんにお金を手渡し、ブレスレット2つとフルーツミックスを手に取って屋台を去った


 今となっては余計な買い物をした気もするが、たまには良いだろう…

 あ、ドラゴンの姿になったら付けられない…


「あ、アッシュ!」


 …カナデ?

 前からカナデの声がしてブレスレットから目線を外し、前を見るとカナデが走ってきていた


「カナデ、どこにいたんだよ!」


 せっかく俺が先陣切って買い物を済ませようとしたのに、気付いたらどこにもいやしねぇ!


「良かった… 見つけた…!」


 カナデは走ってきたと思ったら俺に抱き着いて数滴の涙を流し、離してくれない…


「捕まったんじゃないかとか、どこかで倒れてるんじゃないかとか… 心配したんだから!」


 …何だコイツ、俺にそんな事が起こるなんて有り得ないだろ

 いや、捕まりかけたかもしれねぇけど


「馬鹿か、俺にそんな事は起きねぇよ」


 …起きかけたけど

 そもそも政府ごときが(ドラゴン)を捕まえられるかっての


「万が一って事があるでしょ… バカ」


 人間の女を泣き止ますのってどうやるんだ…?

 泣き止むどころか勢いが増してるぞコイツ…


「はいはい、俺が悪かったよ」


 俺は抱き着いてきたカナデの背中をゆっくりと、ミックスジュースを持っていない手で撫で始めた


「バカ… バカ…」


 変な女だ… 俺も生物学上は女だけど

 とりあえずどこか座れる場所に移動するか、道中じゃ迷惑だよな


「ほら、あそこのベンチまで移動すんぞ。 ここじゃ通行人の邪魔になる」


 そう言い、カナデを離した

 目が赤い… 会えただけでそんなにか?


「うん…」


 汚ぇ顔だな… 馬鹿みてぇ…

 俺の為にそこまで泣くかよ普通、今日会ったばっかりだぜ?


「ほら、あんま暴れんなよ?」


 俺はカナデを背中におぶった

 かなり恥ずかしいだろうが、泣き出すコイツも悪い


「アッシュって愛想無いし、口悪いし、女の人っぽくないけど優しいよね。今のもそうだし、人を自分の能力で楽しませたりさ… 」


 口悪いってどっちがだよ…

 まぁ楽しませようと思ったのはあの小さい女の子が喜んでくれたからな… 俺は別にやらなくても良かったし


「性格もサッパリしてて、親しみやすいし…」


 プッ! サッパリしてる? 人を寄せ付けないようにしてるだけなのに何言ってやがる


 変な女だ…

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